なつぞら-小畑雪之助(安田顕)のモデルは六花亭の小田豊四郎
NHKの朝ドラ「なつぞら」に登場する小畑雪之助(安田顕)のモデルを紹介します。
■なつぞら-小畑雪之助(安田顕)のあらすじ
NHKの朝ドラ「なつぞら」に登場する小畑雪之助(安田顕)は、帯広の菓子店「雪月」の店主で、砂糖が統制品となって使えなくなると、ビート(砂糖大根)を使ったアイデア商品をつくり、数々のアイデアで戦後の混乱を乗り切ります。
そして、柴田泰樹(草刈正雄)が作ったバターや牛乳を使った創作菓子を作り、菓子店「雪月」を北海道で有数の菓子メーカーへと発展させる。
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■なつぞら-小畑雪之助(安田顕)のモデル
NHKの朝ドラ「なつぞら」に登場する小畑雪之助(安田顕)のモデルは、北海道の菓子メーカー「六花亭」の小田豊四郎です。
小田豊四郎は大正5年(1916年)3月13日に北海道函館市で生まれた。旧制中学校を卒業して、薬学専門学校を目指していたので、かなり頭の良い子供だったようだ。
しかし、父親が飲んだくれた末に、ハッカ相場に手を出して失敗し、会社を倒産させたため、小田豊四郎は進学を諦め、叔父・岡部武二が経営する菓子店「札幌千秋庵」に住み込みで出働くようになり、菓子の道を歩むことになった。
それから4年後、「札幌千秋庵」の帯広支店にあたる「帯広千秋庵」を運営していた別の叔父が病気で店を続けられなくなり、店を閉鎖することになったのだが、閉店するなら、小田豊四郎に任せてみてはどうか、ということで、小田豊四郎が帯広支店を引き継いで経営することになった。
しかし、小田豊四郎の和菓子は全く売れず、自転車操業の末、莫大な借金を抱えてしまい、2年で閉店することにした。
そのようななか、取引先の社長が砂糖を買えと言い、お金を貸してくれたので、小田豊四郎が砂糖を買うと、その直後に日中戦争の影響で価格統制令が公布され、砂糖が入手困難になり、お菓子が作れなくなってしまった。
しかし、小田豊四郎は小屋いっぱいに砂糖を購入していたので、お菓子市場を独占することができ、一気に店を持ち直したのだった。
その後、小田豊四郎は徴兵され、中国へ派遣されるが、中国で終戦を迎え、無事に復員し、帯広千秋庵を再開する。
戦後は砂糖が統制品となって使えなかったが、小田豊四郎はアイデアを絞り、砂糖を使わなくても作ることが出来るアイスクリームやカボチャ饅頭を作って販売した。
そのようななか、小田豊四郎は、帯広市の名物になるような菓子を作ろうと考え、帯広を開拓した依田勉三が読んだ「開墾のはじめは豚とひとつ鍋」という句から、「ひとつ鍋」という菓子を作った。
この「ひとつ鍋」が、昭和27年(1952年)の帯広開基70周年記念式典の記念品に採用され、人気商品となる。
このころから、小田豊四郎は商品に物語を持たせるようになる一方で、和菓子から、地元の牛乳やバターなどを使った洋菓子へとシフトしていった。
そして、昭和42年(1967年)にアメリカ・ヨーロッパを視察したとき、日本でもチョコレートが流行すると考え、帰国後に工場を新築し、チョコレートの生産を開始した。
このとき、小田豊四郎は日本で製造していなかったホワイトチョコレートの開発に成功し、ホワイトチョコレートの発売もした。
チョコレートといえば黒か茶色が一般的で、ホワイトチョコレートは全く売れなかったのだが、北海道旅行が流行すると、若者で話題となり、ホワイトチョコレートが売れるうようになった。
すると、類似品が登場したのだが、粗悪な類似品が多かったため、帯広千秋庵に類似品の苦情が寄せられるようになった。
そこで、小田豊四郎は本物の味を届けるため、ホワイトチョコレートを北海道全域で販売しようと考えたが、商圏の問題で「札幌千秋庵」から許可が下りなかったため、「帯広千秋庵」を返上して、「六花亭」と店名を変更した。
このときに、改名記念として「マルセイバターサンド」を発売した。この「マルセイバターサンド」が「六花亭」のロングセラーヒット商品となる。
■モデルの検証
小畑雪之助(安田顕)は父親から菓子店「雪月」を引き継いだ2代目という設定だが、実話の小田豊四郎は叔父から「帯広千秋庵」を引き継いでいる。
また、小畑雪之助(安田顕)は戦後、砂糖が統制品となって使えなくなると、様々なアイデアを駆使して商品を作り、戦後の混乱期を乗り切る点もほぼ実話で、実話の小田豊四郎は砂糖が使えなくても菓子が作れる事に気づき、砂糖を使わないアイスクリームやカボチャ饅頭を作って戦後の混乱期を乗り切った。
小畑雪之助(安田顕)がヒット商品を作って北海道で有数の菓子メーカーに発展するという点も、小田豊四郎は「マルセイバターサンド」をヒットさせて北海道で有数な菓子メーカーに成長したという点と一致する。
モデルの「六花亭」の「六花」は雪の結晶の別称で、父・小畑雪之助(安田顕)の名前に「雪」が入っている。また、この「雪」はホワイトチョコレートにも通じる。
小畑雪之助(安田顕)の店名が「雪月」なので、帯広市の菓子メーカー「柳月」「露月」などもモデルの候補にあがるが、あらすじを読む限りでは小畑雪之助(安田顕)のモデルは小田豊四郎で間違いないだろう。
なお、朝ドラ「なつぞら」のモデルのネタバレは「なつぞら-あらすじとネタバレ」をご覧ください。
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コメント欄
祖母が終戦当時、帯広です。
そして、今も元気です。
雪月のモデルは柳月でも、六花亭でもありません。
その当時のまだ菓子作りはしていませんでした。
モデルは露月さんですよ。
雪さんへ
コメントありがとございます。モデルについては、色々な認定方法があるのですが、小畑雪之助(安田顕)のエピソードから考えて、一番近いのが「六花亭」だったので、今回は「六花亭」と判断しました。