なつぞら-奥様封筒と乳業メーカーのモデルのネタバレ
NHKの朝ドラ「なつぞら」に登場する「奥様封筒」と乳業メーカーのモデルのネタバレです。
■「なつぞら」の奥様封筒
農家は個別に乳業メーカーに販売していたが、乳業メーカーが牛乳の品質検査をするため、検査内容が不透明で、弱小農家は牛乳を安く買いたたかれていた。
そこで、農協や柴田剛男(藤木直人)は、酪農家から牛乳を集荷し、農協で品質検査を行い、農協が乳業メーカーに販売する計画を進めていた。
農協や柴田剛男(藤木直人)は、農協がメーカーと農家の間に入ることにより、大きな農家も小さな農家も、共存共栄できる社会を目指そうとしていたのだ。
しかし、柴田泰樹(草刈正雄)は、「自分の牛乳は自分で売る」「古くからの付き合いがある」と言い、農協の方針に反対した。
そのようななか、古くから付き合いのある乳業メーカーの担当者・村松が柴田家に来て、柴田富士子(松嶋菜々子)に封筒を差し出した。
これは、「奥様封筒」と言って、乳業メーカーと農家の間で習慣なっている付け届けだった。
柴田剛男(藤木直人)は「奥様封筒」を汚いと批判するが、柴田泰樹(草刈正雄)は牧場に対する評価だと反論する。
柴田泰樹(草刈正雄)は「きれい事だけでは家族を守れない」と言い、「奥様封筒」を受け取るようにいうが、柴田富士子(松嶋菜々子)は「奥様封筒」の受け取りを拒否した。
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■「奥様封筒」のモデルのネタバレ
朝ドラ「なつぞら」に登場する「奥様封筒」はモデルとなった実話がるので、実話をネタバレします。
戦後、雪印乳業が北海道十勝地方に進出し、十勝地方は雪印乳業の草刈場となっていたが、昭和27年に(1952年)に森永乳業と明治乳業が十勝地方に進出し、昭和29年には宝乳業が十勝地方に進出した。
こうして、ライバル企業が登場したことにより、牛乳の買い取り価格が上がり、十勝地方の酪農は活気づいた。
しかも、十勝地方の士幌町では、士幌農協の太田寛一が農協で乳牛を買い、農家に貸し出すという方法をったため、乳牛が増えて一気に酪農が盛んになった。
十勝地方の士幌町では、雪印乳業・明治乳業・宝乳業の3社がシノギを削っており、牛乳の争奪戦が起き、農家を獲得するために、現金を封筒に入れて農家の主婦に渡す「奥様封筒」が盛んになっていた。
しかも、有力農家には裏価格が設定されており、高く買い取られる農家は、安く買い取られる農家よりも、1升につき6円も高かったという。
そのようななか、宝乳業が倒産し、代金を受け取れない農家が現れた。
そこで、「共存共栄」を目指す士幌農協の太田寛一は、士幌町の農家に「一元集荷多元販売」という方法を提唱した。
「一元集荷多元販売」とは、農協が農家から牛乳を集荷し、農協が乳業メーカーに牛乳を販売するという方法だった。
農家が団結することにより、農家側が販売する乳業メーカーを選ぶというのだが、この販売先を巡り、農家が対立した。
明治乳業の方が買い取り価格は高いが、有力農家は裏価格や「奥様封筒」で雪印乳業と結びついていたのだ。
士幌農協の太田寛一は、明治乳業と雪印乳業に半分ずつ販売するということで、昭和31年(1956年)11月に「一元集荷多元販売」を開始した。
雪印乳業の方が買い取り価格が安いので、太田寛一が「出荷量を減らす」と告げると、雪印乳業は買い取り価格を上げた。
さらに、牛乳の買い取り価格を決める検査に立ち会うことで、乳業メーカー側が脂肪率を不正に低くしていた事が判明。適正な検査により、買い取り価格が上昇した。
こうして、「一元集荷多元販売」の導入によって農家の所得が上がったので、士幌農協の太田寛一は農家から全幅の信頼を集めた。
こうして農家が団結すると、乳業メーカーが農家に付け届けを渡す意味は無くなり、「奥様封筒」や有力農家への裏価格は1年もしないうちに廃れたのだった。
なお、この一元集荷多元販売を導入した士幌農協の太田寛一が、朝ドラ「なつぞら」に登場する柴田剛男(藤木直人)のモデルである。
太田寛一や柴田剛男(藤木直人)について、詳しく知りたい方は「なつぞら-柴田剛男(藤木直人)のモデルは「よつば乳業」の太田寛一」をご覧ください。
その他のネタバレを知りたい方は「なつぞら-あらすじとネタバレ」をご覧ください。
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