なつぞら-マコプロダクションのモデルとネタバレ
広瀬すずが主演するNHKの朝ドラ「なつぞら」に登場する「マコプロダクション」のモデルとネタバレです。
■なつぞら-マコプロダクションのあらすじ
大沢麻子(貫地谷しほり)は、結婚して東洋動画を退社してイタリアへと旅だったが、その後、帰国してアニメーション制作会社「マコプロダクション」を設立した。
そして、大沢麻子(貫地谷しほり)は下山克己(川島明)をヘッドハンティングして、TVアニメ「3代目カポネ」を制作する。
その後、坂場一久(中川大志)や奥原なつ(広瀬すず)などを「マコプロダクション」に招き入れ、TVアニメ「大草原の少女ソラ」を制作するのだった。
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■なつぞら-マコプロダクションのモデル
大沢麻子(貫地谷しほり)のモデルは、東映動画のアニメーター中村和子だが、中村和子はアニメ制作会社を設立していない。
大沢麻子(貫地谷しほり)のモデル中村和子は、昭和35年(1960年)に広告代理店「萬年社」の穴見薫と結婚して「東映動画」を退社して、絵本作家に転向した。
その後、東映動画の方針に不満を持ったアニメーターが、手塚治虫の「虫プロダクション」へと移っていき、手塚治虫の漫画「鉄腕アトム」をアニメ化することになった。
このため、「虫プロダクション」では、「鉄腕アトム」のスポンサーが必要になり、「虫プロダクション」の同僚アニメーターが中村和子に相談したようだ。
そこで、中村和子が夫・穴見薫を紹介し、夫・穴見薫が明治製菓をスポンサーに付けることに成功して、日本初の国産TVアニメ「鉄腕アトム」の制作が開始される。
そして、夫・穴見薫が中村和子に、手塚治虫を助けて欲しいと頼み、中村和子は「虫プロダクション」に入り、「鉄腕アトム」を手がけた。
このように、中村和子は虫プロルートを進むので、朝ドラ「なつぞら」の大沢麻子(貫地谷しほり)のようにアニメ制作会社は設立していないのである。
では、「マコプロダクション」のモデルは何かというと、アニメ制作会社「Aプロダクション」と「日本アニメーション」だろう。
■マコプロダクションのモデル
TVアニメが台頭して以降、東映動画でもTVアニメ班が強くなり、長編アニメ班は衰退していき、昭和43年の映画「太陽の王子・ホルスの大冒険」の失敗で窮地に陥った。
そのようななか、東映動画でフルアニメーションを使った長編アニメが制作されることになり、宮崎駿ら長編スタッフが集結して昭和46年に映画「どうぶつ宝島」を制作するが、「どうぶつ宝島」も失敗してしまう。
「どうぶつ宝島」の失敗で、東映動画では長編アニメが作れなくなったので、大勢の長編アニメーターが、東映動画を辞めて他の会社へと移っていった。
こうした流れの中で、下山克己(川島明)のモデル大塚康生は、東映動画を辞めて「Aプロダクション」へ移籍して、TVアニメのファーストリーズ「ルパン三世」を手がけた。
しかし、当時はアニメは子供のものという時代だったので、ハードボイルド調の大人向けアニメだった「ルパン三世」は視聴率が振るわず、開始早々にスポンサーの意向で子供向けアニメへの路線変更を余儀なくされた。
この路線変更に不満を持った演出家・大隅正秋が「ルパン三世」が降板したため、大塚康生は困り、東映動画から「Aプロダクション」に移籍していた高畑勲と宮崎駿に「ルパン三世」の制作を依頼した。
小田部洋一・宮崎駿・高畑勲の3人は、大塚康生の招きで、東映動画を辞めて、「Aプロダクション」へ移籍して、アニメ「長くつ下のピッピ」を制作しようとしていたが、「長くつ下のピッピ」は原作者の許可が下りなかったので、企画が頓挫していた。
そこで、高畑勲と宮崎駿は、大塚康生の要請を受け、TVアニメ「ルパン三世」を手がけたのだが、結局、「ルパン三世」は第23話で打ち切りになってしまった。
その後、「ルパン三世」は再放送でヒットして、セカンドシリーズが作られ、映画第2作「ルパン三世-カリオストロの城」へと繋がっていく。
さて、小田部洋一・宮崎駿・高畑勲の3人は、映画「パンダコパンダ」シリーズを手がけた後、「Aプロダクション」から「ズイヨー映像」へ移籍して、昭和49年のTVアニメ「アルプスの少女ハイジ」を手がけている。
そして、「ズイヨー映像」から独立する形で「日本アニメーション」が設立され、宮崎駿らは「日本アニメーション」で、「フランダースの犬」「母をたずねて三千里」が制作される。
奥原なつ(広瀬すず)のモデル奥山玲子は、東映動画に残っていたが、労働紛争が解決したので、東映動画を辞めてTVアニメ「母をたずねて三千里」の制作に合流した。
さて、奥原なつ(広瀬すず)は「東洋動画」を辞めて「マコプロダクション」に移籍し、TVアニメ「大草原の少女ソラ」を手がけている。
この「大草原の少女ソラ」のモデルは、「日本アニメーション」が制作した「草原の少女ローラ」である。
朝ドラ「なつぞら」の関係者で、「草原の少女ローラ」を手がけたのは、仲努(井浦新)のモデル森康二だけで、高畑勲や奥山玲子は「草原の少女ローラ」には関わっていない。
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