テセウスの船-佐野文吾と田村心(正義)の犯人ネタバレ感想文

TBSのドラマ「テセウスの船」の原作に登場する佐野文吾と田村心(正義)の犯人ネタバレ感想文です。

■テセウスの船-ネタバレ感想文

父・佐野文吾は、28年前(1989年6月24日)に起きた音臼小学校無差別殺人事件の犯人として逮捕され、死刑判決を受けたが、えん罪を主張し、再審請求を続けていた。

(注釈:ドラマでは31年前だが、原作では28年前という設定です。)

事件後に生まれた次男・田村心(正義)は、殺人犯の息子として苦労して生きてきたが、理解してくれる岸田由紀と出会って結婚し、田村未来(たむら・みく)が生まれた。

しかし、妻の岸田由紀は出産時に死んでしまったため、岸田由紀の両親が孫を殺人犯の家族にしたくないと言い、赤ちゃん田村未来を引き取ると言い出した。

田村心は、田村未来を守る為には父・佐野文吾のえん罪を証明するしかないと考え、北海道の音臼村を訪れるのだが、深い霧に包まれ、28年前の音臼村にタイムスリップしたので、事件を阻止するため、歴史を変えようと奔走するのだった。

さて、原作漫画「テセウスの船」を読んだ。面白かったので一気読みしたが、結末はもう少しアイデアが欲しかった。それに、伏線を回収して欲しかった。

たとえば、田村心が、妻・岸田由紀のお腹の中に居る田村未来に向かってハーモニカを吹くと、妻・岸田由紀が「この子が生まれてからハーモニカ聞かせたら、この人がパパだって分かるかもね」と言った。

だから、私は最終回で、田村心がハーモニカを吹き、それを聞いた田村未来が田村心だと知るという結末を想像していた。

しかし、原作漫画「テセウスの船」では、ハーモニカの伏線を回収せずに終わったのでショックだった。

また、新聞配達員の長谷川翼が「平成」という元号を予言していたという伏線があったので、私は田村心の他にも別の人物がタイムスリップしており、その人が真犯人なのではないかと予想していた。

しかし、長谷川翼が「平成」を予言していた伏線も回収されなかったので、結末は消化不良だった。

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■正義と心

父・佐野文吾は生まれてくる子供を「正義」と名付けようとしていたが、音臼小学校無差別殺人事件の犯人として逮捕されたため、母・佐野和子が「心」と名付けた。

しかし、3週目の世界では、最終的に、タイムスリープしてきた「田村心」から名前を貰い、父・佐野文吾は生まれてきた赤ちゃんに「心」と名付けた。

「正義」と「心」という2人の存在(同一人物)は、「テセウスの船」で重要な役割を果たしており、広瀬正の短編小説「Once Upon A Time Machine(ワンス・アポン・ア・タイムマシン)」に登場する「大センゾ」の「兄」と「弟」の役割を果たしていると思った。

なお、ワンス・アポン・ア・タイムマシンのあらすじは、「テセウスの船-音臼村事件と犯人の実話とモデルの考察と疑義」をご覧ください。

■犯人のネタバレ

28年前に起きた音臼小学校無差別殺人事件の真犯人は、5年生の加藤ミキオで、父・佐野文吾は犯人ではなかった。

しかし、事件が発生した原因を作ったのは父・佐野文吾だった。

音臼村の派出所に勤務する警官・佐野文吾は、三島医院の三島医師の速度違反を見逃さずに違反切符を切った。

怒った三島医師は、三島明音と三島千夏に、警官・佐野文吾の娘・佐野鈴と遊ぶなと命じたので、三島明音と三島千夏は佐野鈴に嫌がらせをした。

加藤ミキオは、佐野鈴の事が好きだったので、三島明音と三島千夏を殺害した。

さらに、佐野鈴は正義感のある父・佐野文吾の様な人と結婚したいというので、加藤ミキオは佐野文吾を犯人にするため、音臼小学校無差別殺人事件を起こした。

そして、2度目の世界で加藤ミキオ(木村ミキオ)は佐野鈴(村田藍)を手に入れるのだが、佐野鈴は加藤ミキオが好きだった佐野鈴とは別人になっていた。

加藤ミキオは、自分が行った計画のせいで佐野鈴が変わってしまったため、28年前に戻って、好きだった佐野鈴を取り戻したいと思った。

そのようななか、田村心が現われた。加藤ミキオは28年前に田村心の免許証を拾っていたので、田村心にタイムスリップする方法を問うが、田村心もタイムスリップする方法は分からなかった。

しかし、加藤ミキオは田村心と共に28年前にタイムスリップしたので、子供の加藤ミキオと会って計画を変更した。

そして、大人の加藤ミキオは、父・佐野文吾を殺害して全ての罪を被ろうとしたが、田村心に阻止され、田村心が身代わりとなって死に、大人の加藤ミキオは父・佐野文吾に射殺されたのだった。

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■テセウスの船の感想文

音臼小学校無差別殺人事件の犯人は加藤ミキオだったが、その原因を作ったのだが父・佐野文吾だったという結末を考えると、なんともやるせない気持ちになる。

それに、父・佐野文吾は、「生まれながらの悪人はいない」と言っていたが、加藤ミキオはどう考えても生まれながらも悪人(サイコパス)である。

この手の漫画は、加藤ミキオの生い立ちや加藤ミキオがサイコパスになった背景も描くべきだと思った。

なお、「テセウスの船」の原作の粗筋とネタバレは「テセウスの船-原作のあらすじと犯人ネタバレ」をご覧ください。

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