テセウスの船-原作の完結編(最終話)のあらすじとネタバレ

TBSのドラマ「テセウスの船」の原作の完結編(9巻と10巻)のあらすじとネタバレです。

第1巻からのあらすじは「テセウスの船-原作のあらすじと犯人ネタバレ」をご覧ください。

■テセウスの船-9巻のあらすじとネタバレ

老人・田中の自宅が火事になったので、田村心と父・佐野文吾は火事の現場へと駆けつけた。

そのころ、佐野家に、加藤ミキオの叔父だという男が尋ねてきたので、母・田村和子が応対に出た。

加藤ミキオの叔父は、加藤ミキオを探していると言うが、田村心の事を尋ねたり、母・田村和子の出産予定日を尋ねたりしたので、母・田村和子は不審に思う。

そして、加藤ミキオの叔父は、後ろ手に持っていたナイフで母・田村和子を襲おうとしたとき、奥から佐野鈴が出てきたので、加藤ミキオの叔父は計画を中止して引き上げた。

その後、老人・田中宅の火事は火の不始末ということで処理された。

田村心と父・佐野文吾は、母・田村和子から、加藤ミキオの叔父が尋ねてきた事を聞いて驚いた。

田村心は、加藤信也が自宅に来たのなら、家族にも被害が及ぶかもしれないと言い、家族を避難させる事を提案すると、父・佐野文吾は、提案を受け入れ、田村心に家族を避難させるように頼んだ。

さらに、父・佐野文吾は、事件後に佐野家から青酸カリが見つかったのであれば、事件前に置かれた可能性が大きいと言い、田村心に佐野家で青酸カリを探すように頼むと、加藤信也を指名手配するため、警察署へと向かった。

担当者は「親戚なんだろ?様子を見た方が良い」と言い、加藤信也を指名手配してくれなかったが、父・佐野文吾は三島明音事件の犯人が子供だという手がかりを得た。

一方、佐野家に戻った田村心は、母・田村和子に親戚の家に避難するように説得すると、子供達が大反対したので、その日の夜は家族団らんの鍋パーティーを開催した。

田村心は、庭に「タイムカプセル」と書かれた目印があったので、鍋を食べながら、理由を尋ねると、子供達は「タイムカプセルを埋めた」と教えてくれた。

すると、田村心・佐野文吾・田村和子もタイムカプセルを埋めることにした。

田村心は、事件を阻止すれば、未来が変わり、岸田由紀とは出会えず、子供「未来」も生まれないと考え、岸田由紀と結婚し、「未来」が生まれた証拠を残そうと考え、岸田由紀や未来を含めた家系図を書き、指輪と共にタイムカプセルに埋めた。

翌朝、母・田村和子は子供達を車に乗せ、親戚の家へと向かっていたが、道路の真ん中にカラーコーンが置いてあった。

母・田村和子は「どうしてこんな所に?」と不思議がりながらも車を降りて、カラーコーンを移動させた。

そのとき、人影が・・・。

一方、田村心と父・佐野文吾は、加藤信也を探したが、加藤信也は見つからなかった。

翌日、田村心は老人・田中の葬儀で木村サツキと再会すると、木村サツキは加藤ミキオから電話を受けていた。

加藤ミキオは札幌に居るが、明日のお泊まり会に参加するために戻ってくるので、明日の朝7時10分に駅に迎えに行く事になっているのだという。

それを聞いた父・佐野文吾は、校長に土下座して、お泊まり会の中止を訴えるが、校長は「心配なら、貴方が警備すればいい」と言い、中止を拒否した。

さて、30分もあれば親戚の家に到着するはずだが、母・田村和子らは家を出てから30時間が経過しても、親戚の家に着いていなかった。

田村心は心配して探しに行こうと提案するが、父・佐野文吾は「そんな事をしている場合じゃない。明日、殺人事件が起きると分かっているのだから、そっちを優先させる」と言い、明日の打ち合わせを始めた。

翌日(お泊まり会の当日)、父・佐野文吾は田村心に無線と手錠を渡すと、打ち合わせ通り、駅へと向かい、田村心は音臼小学校へ行き、手荷物検査をする手はずを整えた。

一方、加藤信也と加藤ミキオは浜辺で朝食を食べながら、話し合っていた。

加藤ミキオが「人生で一番楽しかった事は何?」と尋ねると、加藤信也は「三島千夏を殺したときかな」と答えた。

すると、加藤ミキオは「僕も同じ」と言って喜び、2人は過去を思い出した。

(注釈:この時点で、加藤信也の正体が、28年後からタイムスリップしてきた加藤ミキオだった事が判明する)

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■ミキオの過去の回想

警察官の佐野文吾は、三島病院の三島医師の交通違反を取り締まった。

三島医師は急患で急いでいると釈明したが、佐野文吾は見逃さずに違反切符を切った。

それに腹を立てた三島医師は、娘の三島明音に、佐野文吾の娘・佐野鈴と仲良くするのを止めろと言ったので、三島明音は佐野鈴を仲間外れにして、自由研究に誘わなかった。

それを知った加藤ミキオは、パラコートのジュースで三島明音の妹・三島千夏を殺害した。

さらに、加藤ミキオは、「僕にしたことを全部言うよ」と言って新聞配達員・長谷川翼を脅し、三島明音にイタズラさせ、三島明音を殺害したのだった(回想終わり)。

(注釈:詳しくは書かれていないが、加藤ミキオは長谷川翼にイタズラされていたようだ)

■テセウスの船-最終回(第10巻)のあらすじとネタバレ

父・佐野文吾は駅で加藤ミキオが来るのを待っていたが、電車には誰も乗っていなかった。

そのころ、加藤ミキオは、学校に電話をかけて教師・木村サツキを山小屋へ呼び出しており、加藤信也がロープで木村サツキの首を絞めていたのだった。

一方、田村心は、校長が木村サツキが居ないというので、慌てて校内を探すが、木村サツキは見つからなかった。

田村心が無線で父・佐野文吾に報告すると、父・佐野文吾は音臼小学校へ向かうことにした。

さて、子供達が登校し始めてきたので、田村心は持ち物検査をしようとするが、生徒や保護者から不満の声が上がる。

音臼小学校に到着した父・佐野文吾が、警備のためだと説明すると、保護者は渋々ながら持ち物検査を了承した。

そのようななか、加藤ミキオが音臼小学校に現われるが、田村心は加藤ミキオに翻弄されるのだった。

一方、警備をしていた父・佐野文吾は、差し入れを持ってきた村人らから飲み物を集めて捨て、水道水以外は飲まないように注意した。

さて、夕食会の時間が来たので、田村心は計画通り、警報器を鳴らして夕食会を中止させようとしたが、警報器は作動しなかったので、慌てて多目的室に戻り、食事を中止するように呼びかけた。

そのとき、子供達が加藤ミキオから貰った粉末ジュースを水に入れて飲もうとしていたので、田村心は飲み物を取り上げ、何も口にしないように命じた。

すると、加藤ミキオは「これを毒だと思ってるだ?」と言い、粉末ジュースを水に溶かして一気に飲み干し、苦しみだして倒れた。

田村心は慌てて駆け寄ると、加藤ミキオは笑って立ち上がり、「毒なんて入っているはずがないでしょ」と言った。

そこへ、佐野文吾の長男・田村伸吾を負ぶった佐々木紀子が音臼小学校へやってきた。

長男・田村伸吾がぐったりしていたので、父・佐野文吾は驚くが、長男・田村伸吾は気を失っているだけだった。

父・佐野文吾が事情を尋ねると、佐々木紀子は音臼村に来る途中で、長男・田村伸吾と出会ったのだが、長男・田村伸吾は「母と姉が知らない男に連れ去られた」と言うと、気を失ってしまったのだという。

そこで、父・佐野文吾は校長にお泊まり会の中止を要請すると、校長は中止を決定して教師に指示を与えた。

一方、田村心は事件を阻止するため、加藤ミキオを物品室に閉じ込めたのだった。

さて、父・佐野文吾は、長男・田村伸吾のポケットに入っていた奇妙な絵と黒板に描かれていた奇妙な絵から、母・田村和子と佐野鈴は山小屋に居るのではないかと考えた。

そして、父・佐野文吾は、絵に書かれていた18と30という数字から、18時30分がタイムリミットだと思ったが、罠ではないかと考え、今は音臼小学校を離れない方が良いと言った。

しかし、田村心は18時30分まで、残り10数分しかないことから、1人で山小屋に行くと言い、父・佐野文吾は音臼小学校に残り、犯人にされないように警察と行動を共にするように忠告した。

父・佐野文吾は山小屋へ行くのは危険だと止めたが、田村心は「自分には帰る場所が無いが、貴方には帰る場所がある」と言い、1人で山小屋へと向かうのだった。

さて、田村心が山小屋に到着すると、中から加藤ミキオの声が聞こえてきた。加藤ミキオは音臼村で起きた事件について語っていた。

どうして、加藤ミキオがここに・・・。

田村心が恐る恐るドアを開けようとしたとき、背後から男に襲われ、気を失ってしまった。

さて、田村心が意識を取り戻すと、そこは山小屋の中だった。田村心は手錠で繋がれており、隣に木村サツキが倒れていた。

小屋の中から聞こえてきた加藤ミキオの声は、加藤ミキオが音臼村で起こした事件の事を吹き込んだカセットテープを再生したものだった。

そして、木村ミキオ(加藤ミキオ)が山小屋に灯油をまいており、田村心は木村ミキオを見て驚いた。

どうして木村ミキオがここに・・・。

すると、木村ミキオは、田村心が霧に包まれて28年前にタイムスリップしたとき、一緒にタイムスリップしてきたと言い、音臼村事件の真相を明かした。

木村ミキオは、小学生の時に音臼村へ転向してきて、同じクラスの佐野鈴を好きになり、佐野鈴を自分だけの物にしたいと思うようになった。

木村ミキオが好きな人を訪ねると、佐野鈴は「居ない」と言ったが、「お父さんみたいな正義感のある人と結婚したい」と言った。

そのとき、木村ミキオは、「正義感があるのではなく、正義ごっこが警察の仕事だ。千夏の事件だって解決できてないじゃないか」と口走り、佐野鈴を傷つけてしまった。

その後、木村ミキオは佐野鈴に意地悪をした三島明音を殺害し、佐野鈴の為に殺したというメッセージとして、山小屋に佐野鈴の「Sのキーホルダー」を置いた。

そして、木村ミキオは、佐野鈴の父・佐野文吾を殺人犯にしようと考え、音臼小学校無差別殺人事件(2週目)を起こした。

このとき、木村ミキオは教師・木村サツキを助けるために、木村サツキが嫌いな牛乳に青酸カリを入れたのだが、木村サツキは倒れた生徒に人工呼吸をしたため、倒れてしまった。

木村ミキオは救急車が到着する前に、牛乳を舐めて倒れ、自作自演で被害者を装ったが、後遺症で歩けなくなり、木村サツキの養子となった。

その後も、木村ミキオは、大好きな佐野鈴の事を追い続け、佐野鈴が整形手術を受けて顔を変え、名前も「村田藍」へと変えて別人として生きている事を知っており、リハビリセンターで村田藍(大人になった佐野鈴)に接触して交際し、村田藍を妊娠させた。

こうして、木村ミキオは念願の佐野鈴を手に入れたが、佐野鈴は事件の被害者家族として辛い人生を歩んでおり、好きだった頃の佐野鈴とは別人になっていた。

ショックを受けた木村ミキオは、音臼小学校無差別殺人事件の慰霊祭で、全員を殺害して自分も死のうとしたが、田村心に阻止されてしまった。

ところが、そのとき、木村ミキオは濃い霧に包まれ、28年前(平成元年)の音臼村へとタイムスリップした。

そこで、木村ミキオは、叔父・加藤信也を名乗って、子供時代の自分(加藤ミキオ)に接触し、加藤ミキオの計画では佐野鈴が別人になってしまうことを教え、音臼小学校無差別殺人事件を中止させた。

そして、木村ミキオは、子供の加藤ミキオに助言を与えたが、「これは君の計画だ」と言い、加藤ミキオに新たな計画を立てさせた。

そこで、子供の加藤ミキオが事件の真相を知っている田村心と父・佐野文吾の殺害を決めると、老人・田中を殺害して自宅に放火した。

そして、父・佐野文吾が田中家へ向かった隙を突き、大人の木村ミキオは佐野家を訪れ、母・田村和子を殺害しようとした。

母・田村和子が死ねば、お腹の中に居る田村心が生まれてこないからである。

しかし、そこへ、佐野鈴が現われたため、木村ミキオは母・田村和子の殺害を中止して立ち去った。目の前で母親が殺されては、再び純粋な佐野鈴を失うと考えたからだ。

子供の加藤ミキオは、木村ミキオから理由を聞かされて、計画中止に納得したものの、「奴らが『おじさん(木村ミキオ)』を殺せと言っている」と告げた。

すると、木村ミキオは、少し悲しそうに、「そうか、それが一番、良い答えかもしれない」と答えた。

そこで、木村ミキオは、加藤信也として遺書を残し、田村心と父・佐野文吾を殺害して、全ての罪を被って死に、子供の加藤ミキオを佐野鈴の正義のヒーローにしようと考えたのだ。

こうして木村ミキオは、事件の真相を田村心に明かすと、山小屋に火を放つのだった。

さて、子供の加藤ミキオは計画通り、音臼小学校の旧体育館に閉じ込められていた佐野鈴を助けると、加藤信也(木村ミキオ)の遺書を差し出し、ヒーローになろうとしたが、父・佐野文吾は加藤ミキオを信用していなかった。

父・佐野文吾は、旧体育館で、母・田村和子を助けると、田村心の事が心配になり、山小屋へと向かうことした。

そのとき、木村ミキオが現われ、父・佐野文吾に襲いかかる。

しかし、山小屋を脱出した田村心が現われ、父・佐野文吾の身代わりとなって刺された。

それでも、田村心は、最後の力を振り絞って木村ミキオに手錠をかけると、山小屋から拾ってきた、木村ミキオが子供の頃に犯行を記録したテープを差し出し、「これが証拠だ」と告げて倒れた。

それでも、木村ミキオはナイフを持って、父・佐野文吾に襲いかかるが、父・佐野文吾に発砲されて死んだ。

父・佐野文吾は田村心に駆け寄り、「心さん、どこにも行くな。ここに居ればいい。お前は俺の息子だ」と泣くが、田村心は死んでしまうのだった。

それから28年後、音臼村がダムに沈むので、父・佐野文吾は音臼村の自宅の庭に埋めたタイムカプセルを掘り返した。

そして、父・佐野文吾は田村心がタイムカプセルに入れた家系図と指輪を発見し、田村心が岸田由紀という女性と結婚して、2人の間に「未来」という子供が生まれていた事を知り、加藤ミキオを探すのを止め、岸田由紀を探そうと思った。

加藤ミキオは、28年前(平成元年)に音臼村で起きた三島明音・三島千夏・金丸刑事などを殺害した平成の殺人鬼「少年A」として騒がれたが、全てを黙秘し、今は少年院を出て、東京のどこかで暮らしていた。

さて、父・佐野文吾の次男・佐野心は、教師をしており、同僚の岸田由紀から手作り弁当をプレゼントされ、生徒に冷やかされていた。

その後、佐野心は、岸田由紀を自宅に招いて、父・佐野文吾に紹介すると、父・佐野文吾は紹介された女性が岸田由紀だったので安心したのだった。

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