おちょやん-高城百合子(たかしろ・ゆりこ)のモデルとネタバレ

NHKの朝ドラ「おちょやん」に登場する高城百合子(井川遥)の実在のモデルとネタバレです。

■高城百合子(井川遥)のモデル

高城百合子(井川遥)は、道頓堀の芝居小屋に出演していたスター女優で、竹井千代(杉咲花)は高城百合子の芝居を見て、芝居が好きになった。

しかし、高城百合子(井川遥)は「鶴亀」の社長・大山鶴蔵(中村鴈治郎)から、映画女優への転向を命じられたため、逃げ回っているところを、芝居茶屋「岡安」の竹井千代(杉咲花)に助けられた。

その後、高城百合子(井川遥)は大山鶴蔵(中村鴈治郎)の推薦で、「鶴亀撮影所」の女優となるが、推薦付きで女優になったことが妬まれ、他の女優から嫌がらせを受けて苦労した。

しかし、高城百合子(井川遥)は演技の実力で他の女優と黙らせ、「鶴亀撮影所」の大女優となった。

その後、大部屋女優として「鶴亀撮影所」に入ってきた竹井千代(杉咲花)と再会し、竹井千代に助けて貰ったことを思い出すと、役が付かずに困っていた竹井千代を監督に推薦した。

こうして、竹井千代(杉咲花)は始めて良い役で映画に出る事が出来たのだが、高城百合子(井川遥)は恋人役の俳優と駆け落ちしてしまうのだった。

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■高城百合子(井川遥)のモデル

高城百合子(井川遥)のモデル
高城百合子(井川遥)のモデルは、女優の岡田嘉子(おかだ・よしこ)だと考えられます。

岡田嘉子は、明治35年(1902年)4月21日に、広島県広島市細工町で、士族・岡田武雄の長女として生まれた。

岡田嘉子は、女子美術学校の西洋画科へ入学したが、父・岡田武雄が北海道小樽の「北門日報」の主筆に招かれたので、岡田嘉子も卒業後、北海道へと移り、「北門日報」の婦人記者となった。

しかし、岡田嘉子は、「北門日報」の演芸会の舞台に出演した事を機に女優を志し、上京して女優の道を歩み、やがて、岡田嘉子は日活にスター女優として招かれた。

昭和2年、岡田嘉子は「椿姫」の主演に抜擢され、撮影が始まるが、大勢の前で監督から罵倒された。

岡田嘉子は、内縁の夫・山田隆弥との関係が悪化していることや、「椿姫」への不安も重なっており、それを相手役の竹内良一に打ち明けると、竹内良一から愛の言葉をかけられた。

そこで、2人は「椿姫」の撮影中に駆け落ちし、飯塚という田舎で結ばれた。

駆け落ちした岡田嘉子は、日活をクビになったので、「岡田嘉子一座」を旗揚げし、竹内良一と5年ほど巡業をして、昭和7年に松竹に入った。

やがて、岡田嘉子は竹内良一と別居状態となり、松竹で出会った演出家・杉本良吉と恋愛関係となる。

そのようななか、杉本良吉は、プロレタリア運動に関わった共産主義者で、召集令状を受ければ、刑務所に送られると考え、岡田嘉子にソ連逃亡を打ち明けた。

こうして、岡田嘉子と杉本良吉は、昭和13年1月に樺太からソ連(ロシア)へと亡命するが、ソ連からスパイの容疑をかけられ、別々に収容され、離ればなれになり、独房生活を送る。

その後、杉本良吉は裁判で銃殺刑となり、銃殺された。

岡田嘉子は独房生活を送り、終戦後に自由の身となったようだが、自らの意思でモスクワに残り、戦後はモスクワ放送局で日本語放送のアナウンサーとなり、滝口新太郎と結婚した。

岡田嘉子は昭和47年に、35年ぶりに帰国して日本の映画やテレビに出演したが、昭和61年に再びソ連へと戻り、平成4年(1992年)にモスクワで死亡した。

■補足のネタバレ

竹井千代(杉咲花)のモデル浪花千栄子は戦前に映画女優として活動していたが、岡田嘉子との接点は分らない。おそらく接点は無いだろう。

ただ、浪花千栄子の夫・渋谷天外は、岡田嘉子のソ連(ロシア)亡命に少し関わっている。

実は、渋谷天外は、「新協劇団」の影響を受けてアカ(共産主義者)となっており、戦時中も共産主義者を家に招いて面倒をみていた。

このため、共産主義の影響を受けた渋谷天外は、「世の中を建て直す」という意味を込めて、「館直志(たて・なおし)」というペンネームを使うようになる。

それで、「新協劇団」には杉本良吉が在籍しており、渋谷天外は自宅に杉本良吉を匿ったこともあり、杉本良吉と岡田嘉子がソ連に亡命するときに報告を受けた。

このとき、2代目・渋谷天外は、ソ連なら寒いだろうと言い、2人に登山靴や逃亡資金を提供したと伝わっている。

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■松井須磨子の可能性について

高城百合子(井川遥)のモデルは松井須磨子ではないかという問い合わせがあったので、お答えします。

複数人をモデルとしているケースは多いので、舞台「人形の家」で有名な松井須磨子もモデルの1人だと考えられます。

ただ、松井須磨子は大正8年(1919年)に自殺しており、松井須磨子の要素は少ないと判断したため、当サイトでは松井須磨子を紹介していません。

また、岡田嘉子は「映画よりも舞台の方が良かった」と話しているので、高城百合子(井川遥)が映画へ行くのを嫌がるエピソードにも合致することから、メーンは岡田嘉子だと考え、モデルとして紹介しました。

ちなみに、竹井千代(杉咲花)のモデル浪花千栄子の師匠は村田栄子という女優で、「おちょやん」では山村千鳥(若村麻由美)に相当します。

浪花千栄子の師匠・村田栄子は、「芸術座」に在籍していた時期があり、松井須磨子の弟子でした。

山村千鳥(若村麻由美)のモデルについて「山村千鳥(若村麻由美)のモデルとネタバレです。」をご覧ください。

なお、朝ドラ「エール」のモデルとネタバレは「おちょやん-あらすじとモデルのネタバレ」をご覧ください。

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