ウィルキー・コリンズの小説「白衣の女」の結末と感想

昼ドラマ「霧に棲む悪魔」の原作となるウィルキー・コリンズの小説「白衣の女(びゃくえのおんな)」のあらすじと結末のネタバレ感想文の後編です。


このページは「ウィルキー・コリンズの原作小説『白衣の女』のあらすじと結末のネタバレ」からの続きです。
このページもウィルキー・コリンズの原作小説「白衣の女」の結末やネタバレが含まれているので、ネタバレを知りたく無い人は閲覧にご注意ください。
パーシヴァル・グライド卿がアン・キャセリックを精神病院へ監禁した理由は、アン・キャセリックに秘密を知られてしまったからだった。
そして、その秘密とは、公文書偽造だった。パーシヴァル・グライド卿は父親から遺産を相続するために、両親の結婚記録を改ざんし、内縁の妻だった母親が父親と結婚していたことにしたのである。
パーシヴァル・グライド卿は、証拠を末梢しようとして、改ざんした結婚記録が保管されている協会の倉庫に忍び込むのだが、倉庫が火事になって死んでしまった。
パーシヴァル・グライド卿は、火事を起こしてヒューマン・ロンダリングを企んでいるのかと思ったら、あっさりと死んでしまった。少し物足りない気がした。
パーシヴァル・グライド卿が先に死んだので、共犯者(参謀)のフォスコ伯爵が黒幕(真犯人)的な位置になるのだが、フォスコ伯爵は秘密結社にまで話が広がったので、面白かった。
1860年でもフリーメーソンやイルミナティの都市伝説が広まっていたのだろうか?それは謎であるが、秘密結社のフォスコ伯爵は身元不明の死体となってしまった。
さて、白衣の女については、多重人格や妄想上の人物などと、あれやこれやと想像したが、精神病院から逃げ出した実在する人物だった。
白衣の女アン・キャセリックとお嬢様ローラ・フェアリーの2人が似ている理由は、異母姉妹だからである。ローラ・フェアリーの父親が滞在先の女中に種付けしたようだ。
白衣の女がストカーのようにローラ・フェアリーらをかく乱するのかと思っていたが、あっさりと姿を消してしまったが、随所に影を残した。
小説「白衣の女」は関係者の手記や日記という形式を取っており、各人物の手記よって、消えた白衣の女アン・キャセリックの全容が少しずつ浮かび上がってくるのである。
1860年といえば、日本ではまだ江戸時代だ。1860年のイギリスでは、既にこういうミステリーの手法が確立していたことには驚きである。ミステリーの古典とされるだけのことはある。
ちなみに、小説の中には、精神病院や精神鑑定や消防車も登場する。1860年のイギリスに消防車などがあったということにも驚いた。
伯父のフレデリック・フェアリーは現在で言うところの引き籠もりなので、1860年にも引き籠もりが存在したことにも驚いた。
小説「白衣の女」の結末は、フレデリック・フェアリーが死に、お嬢様ローラ・フェアリーの子供がリマリッジ館の財産を引き継くというものだった。
小説「白衣の女」はハッピーエンドで終わったが、不細工だが器量の良い姉マリアン・ハルカムはかわいそうだった。
姉マリアン・ハルカムは不細工なうえ、財産も相続できず、画家ウォルター・ハートライトも妹ローラ・フェアリーに取られた。妹の為に苦労しただけではないか。
ウィルキー・コリンズも変な長たらしい文章を書く暇があれば、姉マリアン・ハルカムに結婚させてあげるべきだと思った。
さて、ウィルキー・コリンズの原作小説「白衣の女」を読み終えた時点で、ドラマ「霧に棲む悪魔」は第5話まで進んでいる。ドラマを第5話まで見た感じでは、大筋は原作小説と同じだ。
ドラマ「霧に棲む悪魔」を楽しむため、原作小説の登場人物とドラマの登場人物とを付き合わせておく。ただし、蓮見依子(中田喜子)はまだドラマに登場していないので、推定である。
北川弓月(姜暢雄)=画家ウォルター・ハートライト
龍村圭以(入山法子)=お嬢様ローラ・フェアリー
日浦晴香(京野ことみ)=姉マリアン・ハルカム
白衣の女・霧子(入山法子)=アン・キャセリック
龍村玄洋(榎木孝明)=伯父フレデリック・フェアリー
御田園陽一(戸次重幸)=婚約者パーシヴァル・グライド卿
蓮見依子(中田喜子)=フォスコ伯爵
ドラマ「霧に棲む悪魔」は現代が舞台になっているが、原作を読んでみると、明治時代の貴族の話にした方が良かったのではないかと思う。
土地の登記簿をすり替える「地面師」と呼ばれる詐欺師は存在するが、地面師のように結婚記録は改ざんが出来るのだろうか?謎である。
長くなったが最後に1つだけ。「白衣」は「びゃくえ」と読む。ドラマ「霧に棲む悪魔」では、白衣の女・霧子(入山法子)のことを「白い女」と呼んでいる。
これは「びゃくえのおんな」と呼び難いし、意味が通じにくいので、「白い女」と呼んでいるのだと思う。
ウィルキー・コリンズの原作小説「白衣の女」は3巻の長編で、読み応えがある。秋の夜長に読んでみてはいかがだろうか。

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