あな家-茄子田綾子(木村多江)のネタバレ感想文
TBSでドラマ化される山本文緒の原作小説「あなたには帰る家がある」に登場する茄子田綾子(なすだ・あやこ)についての感想です。
■あなたには帰る家がある-茄子田綾子の感想文
茄子田綾子は、私立学校の教師をしている茄子田太郎の妻で、料理や家事が得意だった。夫の太郎は不細工で、横柄な態度をすることがあるのだが、茄子田綾子はそんな夫には不釣り合いなほど美人な妻だった。
太郎の性格が良いのなら、綺麗な妻と結婚できても不思議ではないが、太郎は性格が悪いのに、どうして綺麗な妻と結婚できたのだろうか。私は不思議に思いながら小説「あなたには帰る家がある」を読んだ。
夫の太郎は二世帯住宅を新築しようとしていたので、やはりお金なのかと思ったが、父親の退職金を二世帯住宅の頭金してローンを組むようなので、お金目当ての結婚というわけでもなさそうだ。
では、なぜ茄子田綾子は横柄な茄子田太郎なんかと結婚したのろうかと不思議に思っていると、ある秘密を抱えていることが判明したのだ。
ここからは原作小説「あなたには帰る家がある」の核心に迫るネタバレなので、未読の方は読まないで欲しいのだが、実は茄子田綾子は他人の子供を妊娠している最中に、茄子田太郎と見合い結婚したのだ。
そして、妊娠した子供の父親というのが、姉の夫だった。正確に言えば、まだ結婚前なので、姉の婚約者である。
茄子田綾子は、姉の婚約者を好きになり、1度だけ関係を持って妊娠した。そして、絶対に産むと決め、両親が勧めていた見合い写真の中から、「一番女性にもてなさそうなタイプの男」を選んで見合いをした。
その見合い相手が夫の茄子田太郎なのだが、決して騙して結婚したわけではない。茄子田綾子は見合をした太郎に妊娠していることを打ち明けており、太郎は綾子の妊娠を受け入れて結婚したのだ。
私は、小説「あなたには帰る家がある」を読んで不思議に思ったのだが、茄子田綾子は姉の夫の子供を妊娠した時点で、一人で子供を育てて生きていこうと思うのでは無く、結婚しようと思ったことが不思議だった。
それに、なぜ、茄子田綾子は結婚相手に「一番女性にもてなさそうなタイプの男」を選んだのだろうか?
茄子田綾子は、女性にもてる男性は優しさに欠け、女性にもてない男性なら優しいだろうと考えて、茄子田太郎を見合い相手に選んだ。結婚相手に求める条件は、優しくて家族の幸せを考える男ということだけだった。
しかし、そんな幸せな家庭を壊そうとしたのは、茄子田綾子自身だった。
茄子田綾子は、二世帯住宅を新築することになり、ハウスメーカー「グリーンハウジング」の営業マン佐藤秀明と出会い、佐藤秀明のことが忘れられなくなって不倫を開始するのである。佐藤秀明も結婚しているのでダブル不倫だ。
しかも、茄子田綾子から、佐藤秀明から新築の契約に協力して欲しいと頼まれたことを、プロポーズの言葉だと受け取って暴走し、佐藤秀明の自宅を訪れて、佐藤の妻・佐藤真弓に、佐藤秀明から結婚を申し込まれた宣言して不倫をバラしてしまうのである。
私は原作小説「あなたには帰る家がある」を読んでいて、茄子田綾子はちょっと頭がおかしいのだと思った。
そういえば、諸説の中に、茄子田綾子が小学生の頃からいじめられていたことが書かれていた。最初は誰とでも仲良くなるのだが、時間が経つにつれ、誰もが茄子田綾子を非難するようになるのだという。
私は小説「あなたには帰る家がある」を読み終えた後、茄子田綾子がいじめられていた理由が分かるような気がした。
ドラマでは、この茄子田綾子を木村多江が演じる。木村多江は影のある演技が得意なので、ピッタリな役だと思う。ドラマが楽しみだ。
なお、原作のあらすじとネタバレは「あなたには帰る家がある-原作のあらすじとネタバレ」をご覧ください。
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