橘咲の手紙の「○○先生」の意味

橘咲の手紙が登場するTBSドラマ「JIN-仁-2(完結編)」の最終回(第11話)「タイムスリップの結末」のネタバレと感想の後編です。JIN2最終回の視聴率は26.1%でした。


最終回の感想の前編は「JIN-仁-2(完結編)の最終回の感想」をご覧下さい。最終回のあらすじは「JIN2(完結編)の最終回のあらすじ」をご覧下さい。
南方仁(大沢たかお)の頭の中にあった胎児様腫瘍の意味が分からなかったが、SF要素の複製を上手く回収しており、ドラマ「JIN-仁-2(完結編)」は非常に面白かった。
さて、JIN2最終回の冒頭であった彰義隊(しょうぎたい)は実在した部隊である。1868年5月15日に彰義隊(しょうぎたい)が官軍と戦った上野戦争が発生している。
江戸城の無血開城は1968年3月の事なので、JIN2の最終回では既に終了していた。
江戸城の無血開城が無かったので、JIN2の最終回が彰義隊(しょうぎたい)から始まったのは、少し唐突だった気がする。
南方仁(大沢たかお)が徳川埋蔵金の埋蔵場所を目撃した設定にして、スピンオフで糸井重里の特番「JIN3-仁(徳川埋蔵金)」を期待していたのだが、スピンオフは難しいかもしれない。
さて、ドラマ「JIN-仁-2(完結編)」で最も残念だったのは、胎児様腫瘍の謎である。
南方仁(包帯の男)がホルマリン漬けの胎児様腫瘍を持ち去る理由が、JIN1の第1話を再現するだけの目的だったのが残念だった。
膨大な量を1クールで済ませたため、粗も多かったが、最後の橘咲(綾瀬はるか)からの手紙で粗は帳消しになった。
橘咲の手紙は秀逸で、内容もさることながら、「○○先生へ」としたところは、非常に考え深かった。
坂本龍馬(内野聖陽)が西郷隆盛(藤本隆宏)に提出した新政府の人事案では、関白の名前が「○○○」となっていた。
だから、橘咲(綾瀬はるか)が手紙で「○○先生」としたのには、何か意味があるのだと思う。
橘咲(綾瀬はるか)は、未来から南方仁(大沢たかお)が来たことを知っていたし、歴史の修正力についても知っていた。
現代に、江戸時代の南方仁(大沢たかお)に関する記録は残っておらず、南方仁の情報は歴史の修正力によって消された。
南方仁の名前を書けば、手紙は歴史の修正力によって消されてしまう。だから、橘咲(綾瀬はるか)は歴史の修正力の影響から手紙を守る為に、「○○先生へ」としたのではないか。
ただ、坂本龍馬が西郷隆盛に提出した新政府の人事案の「○○○」には、新政府綱領八策というモデル(元ネタ)があるし、橘咲が新政府の人事案を見たとは考えにくい。
だから、橘咲は坂本龍馬を真似たのではなく、独自に「○○先生へ」を考えたのだと思う。(新政府綱領八策については、「坂本龍馬の新政府綱領八策」をご覧下さい。)
最後に橘未来(中谷美紀)が病院へ運ばれてきたとき、南方仁(大沢たかお)が執刀医に名乗りを上げたのは、苦悩した末の成長が感じられて非常に感動した。
その時代に生きる人間が行った行為は、歴史の修正力の影響を受けないので、今度は橘未来(中谷美紀)を助けられると思う。
さて、ドラマ「JIN-仁-2(完結編)」は色々と名場面があったが、私が最も好きだったのは、橘栄(麻生祐未)が縁側で家族に隠れて好物の花林糖(カリントウ)を食べるシーンである。
これはJIN2の第1話で脚気になった橘栄(麻生祐未)のために、橘咲(綾瀬はるか)が安道名津(あんドーナツ)を作った時のエピソードである。
もう1度、橘栄(麻生祐未)がカリントウを食べるシーンを観たいので、ドラマ「JIN-仁-2(完結編)」のDVDが出たら買いたい。
ドラマ「JIN-仁-2(完結編)」の原作や主題歌については、JIN-仁-2(完結編)の原作や主題歌をご覧ください。

スポンサードリンク

コメントを投稿する

コメントは正常に投稿されていますが、反映に時間がかかります。




コメント欄

いつも読ませて頂いています。
咲さんの記憶から仁先生が消えてしまっていくのが、どうにも、やるせない気持ちだったのですが、なるほど、歴史の修正力から守るためだったと考えると救われる思いです。
生涯独り身だったのがその証拠ですよね。
胎児様腫瘍が良性腫瘍に変わっていたり、江戸の歴史から南方仁が消えているなどの不可解は杉田医師:戸次重幸の仕業であると私は睨んでいます。
事故に見せかけてあんな所で医師をやっているなんて、彼の執念にはまったく、驚かされます( ´Д`)y━・~~
杉田医師が詐欺師にしか見えなくて参りました(笑)悪魔と呼ばれる彼の名誉挽回を期待したい所です。
冗談はさておき、本当に、良いドラマでしたね。
ところで、江戸から現代へ仁先生が戻る時、探していたホスミシンが先生が消えた場所に落ちていたのはどのように解釈されますか?
そこだけがどうしても解せなくて。十円玉の時のように、あの丘に落ちてたのならわかるのですが…

  • 投稿者-
  • パステル

パステルさんへ。
戸次重幸さんは1シーンで、見事にJINの世界観を壊してくれました。「ミスター残念」と言われるだけのことはあります。(ドラマ「霧に棲む悪魔」を観ている人にしか分からないネタです)
さて、ホスミシンの解釈は、「時間と場所」と「パラレルワールド」の2つに分ける必用があると思います。
まず、橘恭太郎(小出恵介)が林で拾ったホスミシンは、包帯の男(大沢たかお)がポケットから落としたホスミシンだと仮定します。
これは、JIN2の最終回で、階段踊り場で倒れた包帯の男(大沢たかお)のポケットからホスミシンが落ちる描写があったからです。
そして、上の仮定を元に「時間と場所」を考えます。
包帯の男と医者・南方仁の2人は倒れた「場所と高さ」が違うので、タイムスリップした「時代も出口」も変わると解釈できます。
包帯の男が倒れた場所は階段上の踊り場だったので、林へタイムスリップし、医者・南方仁が倒れた場所は階段下の踊り場だったので、丘へタイムスリップしたと解釈できます。
次に、「パラレルワールド」について考えます。
JINの世界はパラレルワールドになっており、世界A現代から世界B過去へしか行けないという条件であれば、橘恭太郎(小出恵介)が林で拾ったホスミシンは、前作「JIN」の第1話で包帯の男(大沢たかお)が落としたホスミシンということになります。
(前作「JIN」で包帯の男がホスミシンを落とした描写があったかどうかは不明です。)
だから、世界B現代(JIN2の最終回)の包帯の男が落としたホスミシンは世界C過去の林に落ちるはずです。
ただ、これはパラレルワールドの関連で、「卵が先か、鶏が先か」という問題が発生するので、完全には整合性がとれません。
ホスミシンの件は完全に整合性を取るのは難しいので、TBSからのプレゼントだと私は解釈しました。

  • 投稿者-
  • 管理人

『ミスター残念』に思いっきり噴きました(笑)そうでしたね。
こうなったら、歴史の修正力は彼にこそ適用していただきたいものです。
「時間と場所」、落ちた高さ…、というご説明に、なるほど、納得致しました。
パラレルワールドについては考えれば考えるほど、理屈があわなくなってきますね。
TBSからのプレゼントだという解釈は素敵ですね^^私もそう思う事にします。
ご丁寧な回答を頂きありがとうございました。おかげで大変スッキリ致しました。ミスター残念の失態もこれでどうにか目を瞑ってあげられそうです。

  • 投稿者-
  • パステル

①○○先生としたのは、「もう名も顔も思い出せぬそのお方に恋をしていましたことを」と、手紙で綴っていたように、咲が仁の名前を思い出せなくなってしまったからではなかったでしょうか?
②南方仁(包帯の男)がホルマリン漬けの胎児様腫瘍を持ち去る理由が、JIN1の第1話を再現するだけの目的だったとありますが、第一話の謎の患者が「仁」で、「何をしようとしていたのか」が、最終話の仁によって解かれた謎だったのではないでしょうか?だからただの再現ではなく、仁がタイムスリップするために欠かせない存在であったということだと思います。
未来の執刀医に名乗りをあげた時点で、仁が江戸で自分がしてきたことに対して少なからず自信と誇りを持って復活sじたのだなと感じることができて、同じく感動しました。

  • 投稿者-
  • 通りすがり