朝ドラ「おちょやん」鶴亀新喜劇のモデルは松竹新喜劇

NHKの朝ドラ「おちょやん」に登場する「鶴亀新喜劇」のモデルとネタバレです。

■おちょやん-鶴亀新喜劇のネタバレ

竹井千代(杉咲花)は「松竹家庭劇」に参加して、天海一平(成田凌)と結婚して妻として女優として奮闘するのですが、戦争が全てを焼き尽くしてしまいました。

このため、戦後は「鶴亀新喜劇」が発足し、竹井千代(杉咲花)は再び女優として活動することになります。

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■鶴亀新喜劇のモデルは松竹新喜劇

天海一平(成田凌)のモデルとなる2代目・渋谷天外は、アドリブ王と呼ばれた曾我廼家十吾に誘われ、昭和3年に「松竹家庭劇」を発足しました。

朝ドラ「おちょやん」に出てくる「鶴亀家庭劇」のモデルが、この「松竹家庭劇」です。

竹井千代(杉咲花)のモデル浪花千栄子は、昭和3年から援軍として「松竹家庭劇」に参加しており、昭和5年に松竹の命令で正式に配属となりました。

浪花千栄子と2代目・渋谷天外は、幼なじみだったのですが、朝鮮巡業中に結ばれ、昭和5年(1930年)12月22日に結婚しました(結婚時期には異説もあります)。

さて、2代目・渋谷天外は台本を重視していたのですが、曾我廼家十吾は台本通りに演じず、芝居の流れで台詞を変えるため、水と油のような関係でした。

このため、2代目・渋谷天外と曾我廼家十吾は度々、喧嘩をしていたのですが、戦後、大喧嘩をして決別します。

そこで、2代目・渋谷天外は、妻・浪花千栄子などを率いて、昭和21年5月に「松竹家庭劇」を辞め、劇団「すいーと・ほーむ」を発足し、旅巡業に出ました。

戦後は都心よりも、地方に出た方が食糧事情が良かったのです。

そのようななか、昭和23年11月に喜劇王と呼ばれた曾我廼家五郎が死に、知らせを受けた2代目・渋谷天外は大阪に舞い戻ります。

すると、松竹が曾我廼家五郎の「五郎劇」と「松竹家庭劇」を合併して、新劇団「松竹新喜劇」を発足する計画を立てていました。

そこで、「すいーと・ほーむ」の2代目・渋谷天外や浪花千栄子や藤山寛美なども、「松竹家庭劇」に参加しました。

こうして、「鶴亀新喜劇」のモデルとなる「松竹新喜劇」が、昭和23年12月に発足したのです。

■波瀾万丈の松竹新喜劇

浪花千栄子は、ようやく看板女優として人気が出てきたのですが、2代目・渋谷天外の不倫が発覚します。

なんと夫の不倫相手は、浪花千栄子が可愛がっていた弟子の九重京子(渋谷喜久栄)で、しかも、自宅で不倫の現場を目撃してしまったのです。

再三に渡って不倫を許してきた浪花千栄子ですが、流石に可愛がっていた弟子と夫の不倫を目撃して、激怒します。

しかも、弟子の九重京子が長男・渋谷成男を出産したのです。

浪花千栄子は2代目・渋谷天外と最後の話し合いを行うのですが、原稿を書かないといけないと言い、2代目・渋谷天外は話し合いの途中で逃げてしまいました。

子供の居なかった浪花千栄子は、もう駄目だと思い、2代目・渋谷天外と離婚して、昭和26年4月に「松竹新喜劇」を退団しました。

その後、浪花千栄子は京都の長屋の2階で、落ちぶれた生活を送ることになります。

さて、2代目・渋谷天外は、原作ありの芝居「桂春団治」をヒットさせた事を切っ掛けに、原作を使った芝居を増やしていきます。

すると、アドリブを重視する曾我廼家十吾は、2代目・渋谷天外の方針に不満を持ち、昭和31年4月に「松竹新喜劇」を辞めて、再び「松竹家庭劇」を発足するのですが、「松竹家庭劇」は客が入らずに解散します。

さらに、2代目・渋谷天外は、「松竹新喜劇」を会社組織にするのですが、その矢先に脳出血で倒れて、右半身不随となってしまいます。

そのようななか、藤山寛美の借金問題が浮上し、藤山寛美はクビになるのですが、藤山寛美が抜けたため、「松竹新喜劇」は赤字になってしました。

藤山寛美の復帰を巡る混乱から、2代目・渋谷天外は、会社としての「松竹新喜劇」を解散し、松竹の劇団へと戻って再出発して、藤山寛美を復帰させました。

藤山寛美が復帰すると、「松竹新喜劇」は再び大人気となり、藤山寛美の時代を迎えました。

2代目・渋谷天外は、アドリブを重視する曾我廼家十吾を否定して成功させたのですが、藤山寛美のアドブリによって、2代目・渋谷天外の時代は終わったのです。

こうして、新しいアドリブ王・藤山寛美によって「松竹新喜劇」は運営されていくのですが、藤山寛美は借金を返すために無休連続公演を続けたので、役者の流出を招き、人気は低迷していきました。

藤山寛美が後継者を育てていなかったこともあり、藤山寛美が平成2年(1990年)5月21日に死ぬと、「松竹新喜劇」は解散してしまいます。

現在の「松竹新喜劇」は、2代目・渋谷天外の長男・渋谷天笑が、平成3年に「新生松竹新喜劇」として発足したものです。

なお、朝ドラ「おちょやん」の実話やモデルについては「朝ドラ「おちょやん」のあらすじとモデルのネタバレ」をご覧ください。

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