半沢直樹(ロスジェネの逆襲)の粉飾決算のカラクリとトリックの解説
TBSのドラマ「半沢直樹」に登場する、IT企業「電脳雑伎集団」の粉飾決算のカラクリとトリックを解説します。
「半沢直樹2」の原作のあらすじとネタバレは「半沢直樹2-原作のあらすじと黒幕ネタバレ」をご覧ください。
■ロスジェネの逆襲の粉飾決算を解説
ドラマ「半沢直樹」の原作「ロスジェネの逆襲」では、IT企業「電脳雑伎集団」の社長・平山一正が、子会社「電脳電設」を利用して粉飾決算をしてました。
この粉飾決算は、ミステリードラマに例えると、犯人が殺人を犯した理由に相当するので、非常に重要なのです。
しかし、原作「ロスジェネの逆襲」では粉飾決算のトリックをアッサリと流していました。
このため、原作「ロスジェネの逆襲」を読んでも、粉飾決算のトリックが分らなかったという人も居ると思います。
そこで、今回は、電脳雑伎集団が使った粉飾決算のトリックを解説します。
スポンサードリンク
■粉飾決算トリックの解説
電脳雑伎集団は子会社「電脳電設」を設立し、300億円で、ゼネラル産業から子会社「ゼネラル電設」の事業を買い取りました。
しかし、「ゼネラル電設」の価値は120億円なので、180億円を過剰に払ったことになります。
そこで、ゼネラル産業は、電脳雑伎集団に仕事を発注し、仕事の代金として180億円を電脳雑伎集団へ戻します。
もちろん、電脳雑伎集団は仕事をしておらず、お金だけが動く、架空取引でした。
しかし、架空取引の費用180億円は、元々は電脳雑伎集団がゼネラル産業へ払った300億円から出ています。
なぜ、このような事をするのでしょうか。
■架空取引の疑問点
電脳雑伎集団は、300億円を払って、電脳電設(120億円)と架空取引(180億円)を得ました。
一方、ゼネラル産業は、300億円を得て、電脳電設(120億円)と架空取引(180億円)を売りました。
120+180=300なので、両者ともプラスマイナスゼロでトントンなのですが、ゼネラル産業は、粉飾決算に加担することにより、300億円を得て一時的に財務内容を改善し、白水銀行から融資を得ることが出来ました。
一方、電脳雑伎集団は架空取引(180億円)によって売り上げを増やし、赤字を黒字化していたのですが、架空取引の費用180億円は元々、電脳雑伎集団が払った300億円から出ているので、どうして赤字が黒字になるのかという疑問が出てきます。
この部分に「ロスジェネの逆襲」の粉飾決算のトリックが隠されているのです。
スポンサードリンク
■粉飾決算カラクリのネタバレ
電脳雑伎集団は、300億円を払って、ゼネラル産業から子会社「ゼネラル電設」の事業を買い取りました。
このため、帳簿上は、現金がマイナス300億円、資産がプラス300億円となります。
しかし、「ゼネラル電設」の事業の本当の価値は120億円でした。
そこで、300億円を受け取ったゼネラル産業は、架空取引を使って電脳雑伎集団に差額の180億を返します。
この180億円は電脳雑伎集団の売り上げになるので、帳簿上は電脳雑伎集団は儲かっているように見えます。
電脳雑伎集団は赤字だったのに、このような粉飾決算トリックを使って、黒字に見せかけていたのです。
■もっと分りやすく解説
財布の中に300円しか入っていませんでした。
その日、コンビニで120円のジューズを買いました。
300円払うと、180円のおつりをくれました。
しかし、お小遣い帳にジュースの値段は300円で、おつりは180円だったと嘘の記入します。
すると、財布には300円しか入っていなかったのに、お小遣い帳上では480円持っていたように見えます。
このように、帳簿に嘘を記入して、実際よりもお金を多く持っているように見せるのが、原作「ロスジェネの逆襲」の中で使われた粉飾決算のトリックです。
なお、粉飾決算のトリックが理解出来なくても、ストーリーに影響は無いので問題はありません。
電脳雑伎集団は赤字だったのに、帳簿に嘘を記入して、会社が儲かっているように見せかけていた、とだけ理解出来れば十分です。
そして、電脳雑伎集団は粉飾決算を有耶無耶にするために、ライバルのIT企業「東京スパイラル」を買収したのです。
なお、「半沢直樹」の登場人物や企業の実在モデルは「半沢直樹(ロスジェネの逆襲)の実在のモデルと実話」をご覧ください。
スポンサードリンク