妻夫木聡が主演するTBSのミステリードラマ「危険なビーナス」の原作のあらすじとネタバレです。
このページには「危険なビーナス」の原作のあらすじや犯人のネタバレが含まれているので、知りたくない人は閲覧にご注意ください。
ある日、池田動物病院で院長代理を務める獣医・手島伯朗の元に、1本の電話がかかってきた。
電話の主は、矢神明人の妻カエデと名乗った。矢神明人というのは、弟の名前だった。
手島伯朗の父親は、手島一清という売れない画家だった。母・禎子が看護婦をしており、母親の稼ぎで生活をしていた。
父・手島一清は、病気で、最後に図形のような絵を描いていたのだが、その絵は完成することなく、死んだ。
父親の死後、手島伯朗は、母・禎子が働いている間、叔母(母の妹)・兼岩順子に預けられた。兼岩順子の夫・兼岩憲三は大学で数学の教授をしており、父・手島一清の絵を預かってくれていた。
その後、母・禎子がお金持ちの矢神康治と再婚し、弟・矢神明人が生まれた。手島伯朗が9歳のことだった。
その後、手島伯朗は、母親から矢神康治の籍に入る事を勧められたが、矢神康治の籍には入らなかったので、矢神家とは無関係だった。
しかも、弟・矢神明人との接点である母親も、16年前に風呂場で事故死したので、弟・矢神明人とは疎遠で、兄弟付き合いもしていなかった。
このため、手島伯朗は、カエデの報告により、弟・矢神明人が結婚した事を知って驚くのだった。
さて、弟の妻カエデは矢神明人が行方不明だというので、手島伯朗はカエデと会って話しを聞いた。
矢神明人とカエデは、実家の矢神家に内緒で、アメリカのシアトルの教会で、2人だけで結婚式を挙げたのだという。
そして、2人は、矢神家から父親の危篤を知らされたので、4日前に帰国したのだが、矢神明人が「ミッションへ行くのでしばらく帰れない。心配しなくていい。自分が戻らなければ、1人で父の見舞いに行って欲しい」という書き置きを残して居なくなったのだという。
このため、カエデは矢神家へ義父・矢神康治の見舞いに行くことにしたのだが、見ず知らずの女が矢神明人の妻を名乗っても、矢神家に信用してもらえるはずがないので、手島伯朗に一緒に行って欲しいというのである。
手島伯朗は矢神家とは無関係だったので、同行を断るのだが、カエデに「お義父様に大学まで出してもらった恩がある」と押し切られ、しかたなく、カエデとともに矢神家へ行き、継父・矢神康治を見舞う事にした。
スポンサードリンク
さて、手島伯朗とカエデは矢神総合病院を訪れて、矢神康治を見舞うが、ほとんど意識は無かった。
カエデが、夫の矢神明人はビジネスの関係で帰国できないと説明すると、矢神家を管理する波恵は、2人が矢神明人の代理人として、矢神家の家族会議に参加するように言った。
矢神家は矢神総合病院などを経営する資産家なので、事前に遺産相続について話し合うのだという。
カエデは、家族会議に出席する事を喜んだ。どうやら、カエデは、矢神明人の失踪が矢神家に関係していると考えているようだった。
手島伯朗は、矢神家の籍には入っておらず、完全な部外者なので、参加を断るが、波恵は利害関係の無い第三者の方が矢神明人の代理人として適任だと言うので、家族会議に出席する事になってしまった。
さて、見舞いを終えると、カエデを矢神明人のマンションへ送ると、凄い豪邸だった。
カエデに誘われて部屋に上がると、カエデがコーヒーをいれてくれたのだが、そのときに胸の谷間がチラッと見えたので、手島伯朗はカエデを意識するようになる。
さて、手島伯朗は弟・矢神明人の部屋で、写真立てに飾られた、母親の実家・小泉家の写真を発見する。小泉家は取り壊されて更地になっているはずだが、写真の裏には小泉家の鍵が入っていた。
一方、カエデは、矢神明人から聞いた話として、手島伯朗の母・禎子と矢神康治が再婚した経緯を話した。
矢神康治はサバン症候群の研究者で、禎子の夫・手島一清が描いた最後の絵を見て、サバン症候群だと確信し、連絡を取り、禎子と会ったのだが、既に夫・手島一清は死んでいた。
しかし、それが2人の出会いとなり、禎子は矢神康治と再婚したのだという。
手島伯朗とカエデが矢神家の家族会議に出席すると、矢神家の男性3人女性3人の計6人が出席していた。
カエデは、巨乳でカーリーヘアの美人だったので、男性陣からは歓迎されたが、女性陣からは値踏みされた。
特に女性陣の百合華は、矢神明人に恋愛感情を持っていたので、突然、現われた矢神明人の妻を名乗るカエデに敵意を持ち、矢神明人のタイプと違うと不審がっていた。
さて、祖父・矢神康之介は20年前に死んだのだが、矢神明人を可愛がっていたので、「全財産を矢神明人に譲る」という遺言を残して死んだ。
しかし、相続人には法定遺留分という法律で定められた割合で財産を相続する権利があるため、矢神明人が祖父・矢神康之介の財産50%を相続し、相続人6人が残りの50%を分けた。
こうして、矢神明人は矢神家の家屋敷など5億円相当を相続したのだが、まだ子供だったので、正式には相続せず、家屋敷の名義は祖父・矢神康之介のままとなっていた。
たしかに、矢神明人の失踪と、矢神家は無関係ではなさそうだ。
ところで、今回、矢神家が家族会議を開いたのは、20年前に死んだ矢神康之介の美術品1億円相当を相続人で分配するためだった。
20年目の相続では、話しが複雑になるので、美術品は相続から除外されていたのである。
そこで、家族会議に集まった相続人は、書庫へ美術品を確認しに行く事にした。
スポンサードリンク
矢神家の家族会議の参加者が書庫へ美術品を確認しにいくと、書庫には、祖父・矢神康之介の遺品の他にも、手島伯朗の継父・矢神康治の所有物もあった。
相続人の1人・牧雄が、相続とは関係の無い矢神康治の絵や研究資料を見ていたので、手島伯朗は「サバン症候群の患者が描いた絵ですか」と尋ねると、画家だった父・手島一清について尋ねた。
しかし、牧雄は「君の父親の事など、何も聞いていない。私は兄貴(康治)の共同研究者だった。サバン症候群に関する研究だ。だから、ここにある資料の半分は私の物だ」と答えた。
手島伯朗が「動物実験も手伝ったんですか?」と尋ねると、牧雄は「科学の発展田のためには、犠牲にしなければならないこともある」と答えた。
さて、手島伯朗は母・禎子の荷物を入れた箱を見つけたので、開けてみると、アルバムやアクセサリーが出てきた。
アルバムには、父・手島一清の絵を撮影した写真がファイリングされており、いくつかの写真は余白に値段が書き込まれていた。
母親は売れない画家だと言っていたが、全く売れない画家ではなかったようだ。
そして、アルバムの最後のページは、写真が剥がされた跡があった。写真が無いので、どのような絵かは分らないが、タイトルは「寛恕の網(かんじょのあみ)」だった。
手島伯朗は、「寛恕の網」が父・手島一清が最後に描いていた絵だと思った。
そこへ、矢神家を管理する波恵が来て、それは貴方の母・禎子の物であり、矢神家の相続には関係ないので、持って帰っても構わないと告げた。
そこで、手島伯朗が荷物を整理していると、相続人の1人・佐代が来て、「彼女(波恵)には気を付けた方がいい。その箱の中に、禎子の遺品が全て入っているとは限らない」と言い、母・禎子が「価値のある何か」を残している可能性があることを教えた。
さて、祖父・矢神康之介の遺品の美術品については、相続人の勇磨と隆司が、それぞれに鑑定人を連れてきて、値段を付けるということで話が付いた。
そこで、カエデは矢神明人からのメッセージだと言い、矢神明人は祖父・矢神康之介の遺産を相続するとともに、過去の法定遺留分を精査し、不正があった場合は返還を求めると、矢神家の人々に伝えた。
すると、相続人たちは不正を疑われたことに怒りだした。
しかし、それは、矢神明人からのメッセージではなく、カエデの作り話だった。矢神明人の失踪に矢神家が関係しているのであれば、犯人が動き出すのではないかと考えたのだ。
「危険なビーナス-原作のあらすじとネタバレ中編」へ続く。
スポンサードリンク
コメントを投稿する
スポンサードリンク