天海一平のモデル渋谷一雄が2代目・渋谷天外の襲名を拒否した理由

NHKの朝ドラ「おちょやん」に登場する天海一平(成田凌)のモデル渋谷一雄が2代目・渋谷天外の襲名を拒否した理由のネタバレです。

■渋谷一雄が2代目・渋谷天外の襲名を拒否した理由

渋谷一雄の父親は、渋谷天外という喜劇役者で、「楽天会」を旗揚げていた。

「楽天会」は、喜劇の創始者と言われる「曽我廼家兄弟劇」をしのぐ人気を誇っており、渋谷天外と言えば、相当な名前だった。

その後、渋谷天外の死により、「楽天会」は人気が低迷して解散しており、長男の渋谷一雄は渋谷天外の名前を継いでいなかった。

渋谷一雄が2代目・渋谷天外を襲名したのは、「松竹家庭劇」を旗揚げした翌年に、松竹の白井松次郎に襲名を命じられたからである。

実は、渋谷一雄と曽我廼家十吾は、松竹の支援を受けて昭和3年(1928年)9月に喜劇団「松竹家庭劇」を旗揚げしたのだが、昭和不況のまっただ中で、全く客が入らなかった。

そこで、松竹の白井松次郎が、話題作りのために、渋谷一雄に渋谷天外を襲名するように命じたのだが、渋谷天外という名前には1万3000円の借金が付いており、渋谷天外を襲名すると、借金まで引き継がなければならないため、渋谷一雄は襲名を拒否して逃げた。

(昭和3年の1万3000円は令和の価値で5~6000万円に相当するだろう。)

しかし、松竹の白井松次郎に押し切られる形で、「松竹家庭劇」を旗揚げした翌年の昭和4年1月に2代目・渋谷天外を襲名したのである。

ところが、2代目・渋谷天外を襲名しても客足は伸びなかったようである。

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■襲名制の闇を知る

渋谷一雄は2代目・渋谷天外を襲名して莫大な借金を背負ってしまったが、名前を襲名したことにより、かなり美味しい目も見たようで、歌舞伎界が襲名制になっている理由を悟った。

そして、渋谷一雄は、襲名制の闇を知って理不尽だと思い、自分に子供が出来ても渋谷天外の名前は継がせないと決意したのだった。

朝ドラ「おちょやん」のあらすじとネタバレは「おちょやん-あらすじとモデルのネタバレ」をご覧ください。

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