朝ドラ「おちょうやん」の実話-乞食のモデルとネタバレ
杉咲花が主演するNHKの朝ドラ「おちょやん」に登場した乞食(こじき)のモデルとネタバレです。
■おちょやん-乞食のモデルとネタバレ
ホームレスは「家の無い人」というライフスタイルだが、乞食というのは「物貰い」という職業である。
朝ドラ「おちょやん」では、竹井千代(杉咲花)と乞食の小次郎との交流が描かれているが、モデルの浪花千栄子が乞食と交流していたという話しは聞いた事が無い。
さて、乞食と言っても多種多様だが、昭和初期の道頓堀の乞食のエピソートとしては、次のような実話が伝わっている。
店の前で数人の乞食が座り込むと、店は客が来なくなるので、なんとかして排除したいと思うのだが、相手が相手だけに、うかつなことは言えない。
そこで、店側は乞食のボスに頼んで、店の前の乞食に消えてもらうのだが、その代償として、乞食側に毎月お金を払うのである。
さて、乞食は職業と紹介した。実際、昭和初期、国家公務員の初任給が75円だった時代に、道頓堀の乞食は1日に5円を稼ぎ、ベテランになると、1日に10円を稼いでいたという。
なかには、車が珍しい時代に車を持ち、自宅から道頓堀へ車で通勤し、車の中でボロボロの服に着替えて、戎橋の袂に座り込んで物乞いをする乞食も居た。借家を作って人に貸し、家賃収入を得ている乞食まで居たという。
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■道頓堀の乞食は舌が肥えている
大阪は「食い倒れの街」として有名で、なかでも繁華街の道頓堀は料理も大阪で有数だった。
したがって、道頓堀の残飯を食べている乞食は、自然と舌が肥えてきて食通となるので、不味い店の残飯には見向きもしない。一流店から出前を取る乞食も居たという。
乞食と似た職業にルンペンという職業があり、ルンペンの実話として次のようなエピソードが伝わっている。
芝居茶屋は、客の食べ残した弁当などがあり、残飯が出るので、夜の8時を過ぎると、ルンペンが容器を持って残飯を貰いに来るのが、一流店の料理には手を付けるのだが、少しでも格が下がるような店の料理には見向きもしないので、流石の女中も「ルンペンも生意気だ」と愚痴をこぼしたという。
■乞食の小次郎の実話
朝ドラ「おちょやん」では、乞食の小次郎が竹井千代(杉咲花)を借金取りから逃がしていたが、そのような実話は残っていない。
史実では、竹井千代(杉咲花)のモデル浪花千栄子は、道頓堀の仕出し料理屋「浪花料理」で奉公していたとき、父親が現われて富田林に連れ戻され、富田林の造り酒屋へと奉公に出された。
しかし、父親が給料の前借りを要求したため、浪花千栄子は直ぐにクビになり、今度は富田林の木材問屋へと奉公に出された。
浪花千栄子は給料を貰えないので、給料を貯金しておいてくれ、結婚する時に花嫁道具を持たせてくれるのだと思っていたが、父親が給料を前借りしていた事が判明する。
それを知った浪花千栄子は、このままでは父親に食い物にされ続けると思い、奉公先を逃げ出した京都へと向かったのである。
なお、朝ドラ「おちょやん」に関するエピソードの実話は「おちょやん-あらすじとモデルのネタバレ」をご覧ください。
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