おちょやん-長澤誠(ながさわ・まこと/生瀬勝久)のモデル

NHKの朝ドラ「おちょやん」に登場する長澤誠(ながさわ・まこと/生瀬勝久)の実在のモデルとネタバレです。

■長澤誠(生瀬勝久)のネタバレ

長澤誠(生瀬勝久)は脚本家で、竹井千代(杉咲花)と花車当郎(塚地武雅)の出演するラジオドラマの脚本を手がける。

長澤誠(生瀬勝久)は戦争で失われた家族団らんを取り戻すために、ラジオドラマを1人でも多くの人に聞いて欲しいと思うのだった。

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■長澤誠(生瀬勝久)のモデル

長澤誠(生瀬勝久)のモデルは、「家族で笑える健全な笑い」を目指した作家の長沖一(ながおき・まこと)です。

長澤誠と長沖一

長沖一は、明治37年(1904年)1月30日に大阪府島之内で生まれた。

長沖家は、武士(加賀藩士)の家系だが、明治維新を迎えて大阪で商売を始めた。

長沖一は、御津小学校→天王寺中学校→大阪高校へと進み、東京帝国大学文学部美術史学科へと進学した。

高校時代から左翼活動を開始していた長沖一は、東京大学に入ると、武田麟太郎・秋田実らとともに、藤沢桓夫が創刊した同人誌「辻馬車」に参加する一方で、東大新人会にも参加した。

長沖一は、秋田実と同じ部屋で同居しており、2人の友情は有名である。

さて、長沖一は昭和4年(1929年)に東京帝国大学を卒業し、翌年、徴兵検査に合格して、大阪の歩兵第一連隊に幹部候補として入隊。10ヶ月で除隊すると、東京へ戻って作家活動を再開した。

朝ドラ「とと姉ちゃん」を観た人は、雑誌「暮しの手帖」の女装の編集長・花森安治を覚えているだろう。

花森安治は、昭和12年に東京帝国大学を卒業しているので、長沖一よりも年代は下のだが、東京時代の長沖一と面識があったようである。

さて、盟友の秋田実が、一足先に大阪に帰って吉本興業で台本を書いており、長沖一は大阪へ戻ると、秋田実に招かれて吉本興業の文芸部に入り、漫才コンビ「エンタツ・アチャコ」などの台本などを数多く手がけ、戦後の昭和22年に吉本興業を退社した。

■戦後

吉本興業は戦後、全ての芸人を解雇して映画館の経営で復興を開始するのだが、花菱アチャコは「芸人が自分だけなら、吉本興業に入ってきた仕事を独占できる」と考え、吉本興業の林正之助に頼み込んで、1人だけ吉本興業に残った。

一方、漫才コンビ「エンタツ・アチャコ」時代の元相方・横山エンタツは、吉本興業を解雇され後、NHKのラジオ番組「気まぐれショウボート」で人気を博した。

そこで、NHKはラジオで「エンタツ・アチャコ」を復活させようと思い、花菱アチャコにラジオ出演を打診するが、横山エンタツに後れを取っていた花菱アチャコは、「横山エンタツの2番煎じになる」と言い、ラジオ出演には後ろ向きだった。

しかし、尊敬する長沖一が脚本を書いてくれるというので、花菱アチャコは「泣かせるような物を書いておくんなはれ、笑いの方はワテが引き受けます」と言い、ラジオ出演を決めた。

こうして放送を開始したのが、長沖一が脚本を手がける昭和27年のラジオドラマ「アチャコ青春手帖」である。

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■浪花千栄子の起用秘話

「アチャコ青春手帖」で主演する事になった花菱アチャコは、大阪弁が喋れて、自分のアドリブに対応できる相手役(母親役)として、浪花千栄子の名前を挙げていた。

しかし、浪花千栄子は、夫・渋谷天外が女優の九重京子と不倫をして子供を作ったので、渋谷天外と離婚し、松竹新喜劇を辞めて行方不明になっており、連絡が取れない。

そこで、月宮乙女を相手役としてラジオドラマ「アチャコ青春手帖」を開始するのだが、月宮乙女が降板してしまう。

この辺の詳しい事情が分らないのだが、花菱アチャコによると、長沖一が「浪花千栄子の方がイメージに合っている」と言い出したのだという。

このため、NHKのプロデューサー富久進治郎は、京都に居るという噂を頼りに、京都へ行って浪花千栄子探すのだが、見つからずにタイムリミットを迎えた。

しかし、もう1日だけ待ってみようということになり、富久進治郎が再び浪花千栄子を探すのだが、結局見つからず、一杯飲み屋に入って「この辺に居るはずのだが」とぼやいた。

すると、一杯飲み屋の主人が「浪花さんなら、さっき風呂屋に入っていきましたよ」と教えてくれ、浪花千栄子を発見する事ができたのである。

こうして、浪花千栄子は「アチャコ青春手帖」に出演するようになると、柔らかい大阪弁が話題を呼び、「アチャコ青春手帖」は大ヒットし、5度も映画化された。

次に、長沖一はラジオドラマ「アチャコほろにが物語・波を枕に」を手がけるが、これはヒットしなかった。

しかし、次に手がけた「お父さんはお人好し」が大ヒットした。

朝ドラ「エール」のモデル古関裕而らが手がけた、ラジオドラマ「君の名は」が歴史的なヒットを記録しているが、「アチャコ青春手帖」「お父さんはお人好し」は「君の名は」に劣らぬヒット作である。

なお、朝ドラ「おちょやん」のモデルや実話は「朝ドラ「おちょやん」のあらすじとモデルのネタバレ」をご覧ください。

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