浪花千栄子が久重京子に激怒した理由

朝ドラ「おちょやん」のモデルとなった浪花千栄子は、夫に浮気をされて離婚するしているので、離婚騒動の補足をしておきます。

■浪花千栄子が久重京子に激怒した理由

浪花千栄子は2代目・渋谷天外の事を生涯に渡って怨んでいたという話しは有名だが、その理由はあまり知られていない。

夫の2代目・渋谷天外が団員の女優・九重京子と不倫をして子供を作ったため、妻の浪花千栄子は離婚をして、松竹新喜劇を辞め、正妻の座も女優という仕事も失った。

浪花千栄子は不倫相手の九重京子を怨むのは当然かもしれないが、本当に激怒した理由は他にある。

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■浪花千栄子が激怒した理由

浪花千栄子は子供の時に奉公に出て、道頓堀の仕出し弁当屋「浪花料理」で働くようになった。

この「浪花料理」の向かいに芝居茶屋「岡島」があった。

この「岡島」が、朝ドラ「おちょやん」に登場した芝居茶屋「岡安」のモデルである。

さて、「岡島」には、若かりし頃の2代目・渋谷天外が居候していたので、浪花千栄子と2代目・渋谷天外は子供の頃からの知り合いだったのである。

だから、浪花千栄子は、2代目・渋谷天外が女遊びをしていた事も全て知っていたのだが、惚れた弱みで2代目・渋谷天外と結婚したのである。

結婚したら、女遊びも終わるかもしれないと、淡い期待を抱いていたのだが、2代目・渋谷天外の女遊びは終わることがなく、浪花千栄子が女遊びの金を工面したりしていたので、女性問題については、半分諦めモードだった。

では、浪花千栄子が本当に激怒した理由はなにか?。それは「家」である。

浪花千栄子は、幼少期に奉公に出て以来、家というものに縁が無かったことから、家について強い思いを抱いていたのだが、20年間、どんなに尽くしても、2代目・渋谷天外は家を建ててくれなかった。

ところが、2代目・渋谷天外は浪花千栄子と離婚すると、数ヶ月後には九重京子に家を買ったので、浪花千栄子は烈火の如く激怒し、生涯にわたり、2代目・渋谷天外を恨み続けた。

浪花千栄子は仕事に成功して、旅館「竹生」を建てると、庭石の裏に2代目・渋谷天外の名前を彫って、毎日、毎日、2代目・渋谷天外の名前を踏み続けたというエピソードが残っている。

■九重京子は運命の女神だった?

九重京子は不倫相手なので、悪く扱われる事が多いのだが、実は運命の女神だったのかもしれない。

役者が飯を食えるようになるのはテレビが登場してからの事で、離婚騒動があった頃の松竹新喜劇はなんとか解散を免れるという状況で、まだ軌道に乗っていなかった。

しかし、この離婚騒動の直後、2代目・渋谷天外は「桂春団治」という芝居を書いて、大ヒットさせ、松竹新喜劇を人気の喜劇団へと押し上げた。

さらに、藤山寛美は「桂春団治」で人力車夫を演じて注目を集め、人気役者への道を歩み、やがて、「喜劇界のプリンス」と呼ばれるよになる。

一方、離婚した浪花千栄子も花菱アチャコの相手役に抜擢され、NHKのラジオドラマ「アチャコ青春手帖」に出演すると、柔らかい大阪弁が話題となり、注目を集める。

それが切っ掛けで、映画にも出演するようになり、なだたる映画監督に起用され、名脇役として活躍し、「オロナイン」の看板にも起用された。

このように、離婚騒動はあったものの、結果的には、みんなが仕事で成功し、幸せになったのである。

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