「おちょやん」の史実-桂春団治の実話とモデルのネタバレ

NHKの朝ドラ「おちょやん」で天海一平(成田凌)がヒットさせた芝居「桂春団治」の実話のネタバレです。

■桂春団治の実話のネタバレ

天海一平(成田凌)は竹井千代(杉咲花)と離婚した後、新作が書けずに苦悩していたが、「桂春団治」という芝居を書き、大ヒットさせる。

これは実話で、天海一平(成田凌)もモデル2代目・渋谷天外は、浪花千栄子と離婚した後、「桂春団治」の脚本を書いて芝居を大ヒットさせた。東京で高い評価を得たことから、2代目・渋谷天外は大いに喜んだ。

浪花千栄子が2代目・渋谷天外と離婚して松竹新喜劇を脱退したのが、昭和26年4月で、「桂春団治」の初公演が昭和26年11月の中座だった。まさに離婚直後の大ヒットである。

この「桂春団治」は実在した落語家の初代・桂春団治をモデルにした喜劇で、朝ドラ「わろてんか」に登場した落語家・月の井団吾(波岡一喜)のモデルが、この初代・桂春団治である。

さて、実在した初代・桂春団治は、どういう人かというと、次々にゴシップやスキャンダルを起こして、色々な話題を作り、新聞の記事になることで、寄席に客を集めて人気を得るという手法で、一流の落語家になった人である。

ゴシップやスキャンダルを宣伝に利用するという手法は、今では珍しくないが、当時としては斬新な手法だったようで、事件を起こす度に寄席に客が増えていったようだ。

落語を煎餅に吹き込んで、「消える落語」として売り出したが、煎餅を食べてしまうと、落語が聞けなくなるので、全く売れずに大赤字だったというエピソードもある。

また、初代・桂春団治は「赤い人力車」に乗っていたという逸話が残っているのだが、「赤い人力車」は後世の創作で、赤い人力車に乗っていた三代目・桂文三のエピソードを流用したもののようだ。

史実の初代・桂春団治が乗っていた人力車は、黒色で家紋が入ったようである。

それで、2代目・渋谷天外が書いた「桂春団治」にも、人力車が登場し、人力車夫を演じたのが松島寛治(前田旺志郎)のモデル藤山寛美である。

藤山寛美は、これまで2枚目を演じて居たのだが、「桂春団治」で始めてアホ役を演じ、この人力車夫が当たり役となり、アホ役に転じ、スターダムへの階段を歩むことになる。

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■曾我廼家十吾との対立

「おちょやん」の須賀廼家千之助(ほっしゃん)は既に鶴亀新喜劇を退団しているが、須賀廼家千之助のモデル曾我廼家十吾は、松竹新喜劇に在籍していた。

そして、2代目・渋谷天外は「桂春団治」をヒットさせた事により、文芸路線を強めていくのだが、それは曾我廼家十吾のアドリブ路線を否定することになり、曾我廼家十吾との溝を深めていくことになった。

曾我廼家十吾は、文芸路線やテレビや映画がなどで、アドリブが使えなくなっていき、最終的には映画「たぬき」の撮影中に不満を爆発させ、映画の勉強をすると言って、昭和31年9月に松竹新喜劇を退団した。

なお、朝ドラ「おちょやん」の最終回の実話とネタバレは「朝ドラ「おちょやん」-最終回と結末の実話のネタバレ」をご覧ください。

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