元彼の遺言状-剣持麗子の考察

「元彼の遺言状」に登場する剣持麗子(けんもち・れいこ)についての考察です。

元彼の遺言状-剣持麗子の考察

剣持麗子は大手の「山田川村・津々井法律事務所」に所属する敏腕弁護士だが、ボーナスを減額されたことに腹を立て、「山田川村・津々井法律事務所」を辞めた。

さらに、剣持麗子は交際相手・信夫から受け取った婚約指輪が相場の40万円だったことに激怒し、自分が欲しいのは100万円以上の指輪であり、「何が何でも、欲しいものは欲しい。それが人間ってもんでしよ。お金がないなら、内臓でも何でも売って、お金を作ってちょうだい」と言い、プロポーズを断った。

こうしてみると、剣持麗子はお金が大好きな銭ゲバだと思われがちだが、そうではないと、私は思う。

剣持麗子は、自分する基準を金額だと考えているのだろう。

値段の高い物の方が価値が高いように、剣持麗子は金額が高いと自分の価値が高いと判断しているのだろう。

だから、剣持麗子がボーナスが減ったため、怒って辞めたのは、収入が減るから怒ったのではなく、自分の価値が下げられたと思って怒ったのだろう。

また、剣持麗子が信夫のプロポーズを断ったのも、100万円以上の指輪が欲しいわけではなく、100万円の指輪を買う価値がある女だと、評価されたいからだろう。

つまり、剣持麗子は、お金が大好きな銭ゲバではなく、自分の価値をお金で計る認証欲求の強い女性だと考えられる。

そもそも、剣持麗子が交際している信夫は、剣持麗子より年収が低い。信夫の年収は剣持麗子の3分の1以下だ。

元彼の森川栄治は、森川製薬の御曹司で莫大な資産を持っていたが、剣持麗子は森川栄治と交際している時に、そんな大金持ちだとは知らなかった。

森川製薬の事を少し金持ち程度にしか思っておらず、森川栄治が死んだ後に森川製薬の御曹司だった事を知って驚いている。

つまり、剣持麗子は交際相手の年収などあまり気にしておらず、交際相手にお金を求めていないということだ。

もし、剣持麗子が本当にお金が大好きな銭ゲバなら、自分よりも年収の低い人間とは付き合わないだろう。

女医タレントの西川史子は、芸風の一環だろうが、結婚相手に求める条件を「年収4000万」だと言い続けていた。

一般的な女性は男性の価値を年収で判断するのに対して、剣持麗子はあくまでも自分を評価する基準としてお金を使っているに過ぎない。

つまり、剣持麗子は、西川史子のように男性の価値を年収で判断する女性ではなく、男性に自分の価値を評価させる新しいタイプの女性像として描かれているのではないかと思う。

なお、「元彼の遺言状」のあらすじとネタバレは「元彼の遺言状-あらすじと犯人ネタバレ」をご覧ください。

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