ブギウギ-梅丸少女歌劇団(USK)のモデルは松竹楽劇部
趣里が主演するNHKの朝ドラ「ブギウギ」に登場する「梅丸少女歌劇団(うめまるしょうじょかげきだん/USK)」のモデルと笠置シズ子の実話のネタバレです。
ブギウギ-梅丸少女歌劇団(USK)
「ブギウギ」の梅丸少女歌劇団(USK)は、梅丸が大阪の道頓堀で発足した歌劇団で、花田鈴子(趣里)が入団する。
花田鈴子(趣里)は梅丸少女歌劇団を経て東京へ行き、ジャズ歌手として活躍するようになる。
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ブギウギ-梅丸少女歌劇団(USK)のモデル
「ブギウギ」の梅丸少女歌劇団(USK)のモデルは、笠置シズ子が入部した「松竹楽劇部」です。
ただし、松竹楽劇部は後に「大阪松竹少女歌劇団(OSSK)」となるので、大阪松竹少女歌劇団がモデルと言っても問題はないでしょう。
そこで、今回は、笠置シズ子が「松竹楽劇部」に入って、から「大阪松竹少女歌劇団」へ改名する辺りや、笠置シズ子が関係する実話をネタバレしておきます。
さて、日本の少女歌劇は、阪急グループの小林一三が、大正3年(1914年)に兵庫県宝塚市で宝塚唱歌隊を発足。大正8年に宝塚唱歌隊が解散して、宝塚少女歌劇団が発足した事に始まる。
宝塚少女歌劇団が成功すると、少女歌劇ブームが起こり、全国各地で次々と少女歌劇団が発足していくことになる。
こうした流れの中で、大正11年4月、松竹は、大阪の天下茶屋の倉庫のような施設の一部を改修して、「松竹楽劇部生徒養成所」を発足した。
松竹楽劇部はヒットが出ずにお荷物扱いだったが、大正15年(1926年)4月に公演した「春のおどり」がヒットしたことで、ようやく評価されるようになった。
「春のおどり」がヒットした翌年の昭和2年(1927年)に、NHKの朝ドラ「ブギウギ」のモデルとなる笠置シズ子が小学校を卒業して、松竹楽劇部に入部する。
大阪に住んでいた笠置シズ子は、宝塚少女歌劇団に憧れて、宝塚少女歌劇団の試験を受けたが、身長が足りずに落ちてしまったので、教えてもらった松竹楽劇部に入部した。
昭和2年に入部した笠置シズ子は、松竹楽劇部の存在を知らず、母親から松竹楽劇部の事を教えてもらって知ったというので、「春のおどり」がヒットしたと言っても、松竹楽劇部はそれほど有名ではなかったのかもしれない。
東京では少女歌劇団が存在しておらず、関西から東京へ出張していたが、昭和3年に東京でも、松竹座に付属する形で「東京松竹楽劇部」が発足する。
昭和5年には東京松竹楽劇部の第1期生・水の江瀧子が日本で初めて断髪をして男役を演じ、「男装の麗人」として話題となる。
昭和7年、宝塚少女歌劇団への対抗心が強くなったようで、東京松竹楽劇部は「松竹少女歌劇部(SSK)」へと改称する。
昭和8年には、東京の松竹少女歌劇部と大阪の松竹楽劇部で、女性部員が待遇改善を要求する労働紛争「桃色争議」が勃発したが、桃色争議は昭和8年7月に解決する。
笠置シズ子も「桃色争議」に参加しており、高野山に立て籠もったりしていたようだ。
「桃色争議」の結果、東京の松竹少女歌劇部は解散して、「松竹少女歌劇団(SSK)」が創設され、松竹の本社直下の劇団となり、「松竹少女歌劇学校」も設立された。
一方、大阪の松竹楽劇部は「桃色争議」によって大勢のスターを失っており、昭和8年の「秋のおどり・女鳴神」は不振に終わる。
昭和9年、松竹は大阪劇場と提携興業を行うことになった事を機に、松竹楽劇部を立て直すため、松竹楽劇部を「大阪松竹少女歌劇団(OSK)」へと改称して再起を図る。
笠置シズ子は楽劇から歌手へ転向したようで、昭和9年にレコードのA面「恋のステップ」を吹き込んで、歌手として人気になる。
そして、残留組の笠置シズ子・雲井八重子・衣笠桃代らが活躍により、大阪松竹少女歌劇団は人気を取り戻していくのだった。
笠置シズ子の移籍
昭和12年(1937年)、東京の「松竹少女歌劇団」と大阪の「大阪松竹少女歌劇団」からスターを集め、東京の帝国劇場で「松竹楽劇団(SDG)」が旗揚げされた。
大阪松竹歌劇団に在籍していた笠置シズ子も、松竹楽劇団にスカウトされて、松竹楽劇団へ移籍して旗揚げに参加する。
笠置シズ子は、散髪屋を営んでいた弟が招集され、両親を養わなければならなくなったため、金銭的な理由で松竹楽劇団への移籍を決断したようだ。
笠置シズ子は東京の松竹楽劇団で服部良一と出会い、ジャズ歌手として活躍するようになり、「スイングの女王」と呼ばれるようになる。
朝ドラ「ブギウギ」に登場する梅丸少女歌劇団(USK)のモデルが大阪松竹歌劇団で、史実ベースでストーリーが進むのであれば、花田鈴子(趣里)も東京の歌劇団に移籍して、服部良一をモデルとする人物と出会うことになる。
なお、朝ドラ「ブギウギ」のモデル一覧は「朝ドラ「ブギウギ」の実在のモデル一覧」をご覧ください。
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