笠置シヅ子の生涯ｰ実母・谷口鳴尾との再会

NHKの朝ドラ「ブギウギ」のモデルである笠置シヅ子の生涯の第5話「実母との再会」です。

目次は「笠置シヅ子の生涯の目次」をご覧ください。

笠置シヅ子が実母と再会

笠置シヅ子は、香川県大川郡相生村の豪農・三谷陳平の長女として生まれたが、母親・谷口鳴尾は結婚が認められず、母親の私生児として生まれた。

このため、笠置シヅ子は、大阪から出産で相生村に里帰りしていた亀井ウメに引き取られ、亀井家の養女となり、大阪で育った。

笠置シヅ子の実父・三谷陳平は、笠置シヅ子の顔をみることなく死に、結婚に反対していた三谷陳平の母親も死んで、豪農だった三谷家は没落してしまう。

結婚に反対した三谷陳平の母親が死去すると、三谷陳平の父親は笠置シヅ子の実母・谷口鳴尾の出入りを許し、養母・亀井ウメにも孫の笠置シヅ子を連れてくるように頼んでいたようだ。

このため、養母・亀井ウメは相生村に帰省する度に、笠置シヅ子を三谷家に連れて行っていたが、笠置シヅ子に養子だと知られることを警戒して、笠置シヅ子が小学校に入るころから、相生村に帰省しても三谷家には行かず、三谷家を避けるようになっていた。

しかし、笠置シヅ子が17歳の秋、避暑で親戚が営む香川県の旅館に滞在していたところ、養母・亀井ウメは三谷家の親族に見つかってしまい、三谷陳平の17回忌の法事があるので、1人娘の笠置シヅ子を法事に出席させるように迫られた。

亀井ウメは笠置シヅ子を連れて大阪に帰ることにしたが、暴風雨によって船が欠航して大阪へ帰る事が出来なくなってしまう。

しかし、2～3日して亀井ウメは心変わりしたようで、養父・亀井音吉が風呂屋の仕事が忙しいので帰ってくるようにという催促もあり、亀井ウメは1人で大阪へ帰り、笠置シヅ子を1人で三谷家の法事へ行かせた。

三谷家は豪農だったが、笠置シヅ子の実父が死んだ後、没落して母屋は借金の抵当に入り、三谷家は馬小屋に住んでいた。

しかし、法事の当日だけは、債権者が大目に見てくれたようで、三谷家の奥の間の仏壇には供物が祭られ、豪農だった時代のように村の人も集まっていた。

笠置シヅ子は自分が養子だと知らなかったのだが、親戚の法事だと思って三谷家の法事に出席しており、酒盛りが始まると、松竹楽劇部ということで注目が集まり、無理矢理踊りを踊らされた。

そのようななか、笠置シヅ子は、法事に参加していた老人達の会話を小耳に挟み、自分と三谷家に関係があることを知る。

不思議に思った笠置シヅ子は、叔父の長女に自分と三谷家の関係を尋ねるが、叔父の長女は口ごもり、教えてくれなかった。

そこで、笠置シヅ子は叔母に詰め寄ると、叔母は渋々、笠置シヅ子が養子で、本当の母親が法事に出席していた事や、近所に住んでいる事を教えた。

笠置シヅ子は、叔母を問い詰めた事を後悔し、翌日も悩んだが、実の母親に会いに行くと、実母・谷口鳴尾は5～6歳の子供を連れていたので、娘だと名乗る事が出来なかった。

実母・谷口鳴尾は笠置シヅ子を見ても母親だとは名乗らず、自分は女中時代に笠置シヅ子のお守りをしていたと言い、早く出世して大阪の父親と母親を安心させるように告げた。

こうして、笠置シヅ子は実母・谷口鳴尾と再会したのだが、お互いに親子の名乗りは上げず、以降、笠置シヅ子は実母には会っておらず、自分が養子だと知った事も養父母には明かさなかった。

• 2023/06/19